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イチジクの育て方

イチジククワ科 学名:Ficus carica用途 鉢植え 露地植え
難易度 バー バー バー バー バー(ふつう)

耐寒性 バー バー バー バー バー(つよいほう)

夏~秋が旬の果実です。無花果と書きますが、花は咲かないのではなく果実の内部にあって見えないだけです。

もくじ

栽培カレンダー 
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果実収穫
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植え付け(地植え)
バー バー バー                 バー
植え付け(鉢植え)
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剪定
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肥料(地植え)
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肥料(鉢植え)
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品種の選び方 ポイント
収穫時期の違いから『秋果』と『夏果』に大きく分けられます。秋果は新梢(春に伸びた枝)の葉腋(葉の付け根)に果実がつき、晩夏~晩秋に食べ頃となります。夏果は新梢にできた幼果が大きくならずに越冬、春になって大きく生長して梅雨~夏に熟します。

それらの組み合わせで『夏果専用種』『秋果専用種』『夏秋兼用種』3タイプの品種があります。剪定方法が異なるので、育てているのはどのタイプの品種なのかをしっかりと把握しましょう

夏果専用種は梅雨の天候不順に果実のできが左右されやすいです。また、剪定しにくく、鉢植えや限られた場所ではコンパクトに仕立てづらい点もあります。家庭園芸では秋果専用種か夏秋兼用種が向いています。このページでも秋果専用種・夏秋兼用種を中心に説明します

夏果専用種

秋果専用種

夏秋兼用種

樹形を仕立てる
ほおっておくと丈が高くなり、剪定や収穫がしづらくなります。最初にある程度低い位置に、メインとなる枝を張らせることが大切です。

枝を切り詰める時期は落葉期の冬です。切り口がふさがりにくく枝が枯れこみやすいので、必ず芽と芽の間で切るようにします。

『杯状仕立て』

オーソドックスで仕立てやすい形です。やや面積をとりますが、まんべんなく日射しが当たり、手の届く範囲での収穫が可能です。作業適期は落葉期の冬です。

露地植え
1年目(冬) 植え付けた苗木は地面から40cm~50cmの位置で切ります。
2年目(冬) 新梢を30cm~40cmの位置で切り戻します。
3年目(冬) 新梢を付け根から2芽残して切り戻します。

※枝にヒモを掛けて開張してもよい。枝の位置が低くなる分収穫しやすく、より内部まで日射しが入るようになります。

鉢植え
1年目(冬) 植え付けた苗木は地面から20cm~40cmの位置で切ります。
1年目(夏) 新梢を3本残し、あとは切り落とします
2年目(冬) 新梢を20cm~30cmの位置で切り戻します。
3年目(冬) 新梢を2芽残して切り戻します。杯状仕立て

『一文字仕立て』

主枝を2本、左右に開張させる方法です。主枝から上部に出る枝が等間隔になるように間引いて仕立てます。杯状仕立て

剪定
樹形ができあがったものは、毎年冬に剪定を行います。『秋果専用種』と『夏秋兼用種』でやり方が異なります。

秋果専用種
新梢を2~3芽残して切り詰めます。秋果は春に伸びた枝に付くので、冬に切り詰めても問題ありません。
夏秋兼用種

一部の新梢は剪定せずに1~2本残し、他の枝は2~3芽残して切り詰めます。一部を残すのは枝の先端に夏果ができるからです。すべてを切り詰めると、枝ごと夏果を切り落としてしまうことになります。

日当たり・置き場所
日当たりが良く、強い風の当たらない場所が適しています。風の強い場所では葉が擦れて、果実が傷んでしまうためです。

温暖な気候を好む樹木で、栽培適地はミカンが栽培できる場所と重なるとされます。基本的に関東以南が適していますが、品種によって耐寒性は大きく異なり、耐寒性の強いものは東北南部でも栽培可能です。

水やり・肥料
鉢植えの場合は水やりが必要です。過湿に弱いですが、葉っぱが大きく水分が逃げやすいので、夏は乾きやすいです。土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをし、極端な乾燥に気をつけます。

枝を伸ばしながら実を付けるので、体力が切れないよう肥料はしっかり与えます。露地植えは春と冬の年2回、鉢植えは春と夏と冬の年3回です。弱アルカリ性から中性の土壌を好むので、肥料とは別に石灰を年1回施してもよいでしょう。

用土
鉢植えは赤玉土(小粒)6:腐葉土3:鹿沼土1の割合で混ぜた土を用います。水はけと水保ちのよい土質が適しています。

植え付け
植え付けの適期は落葉期の12月~3月です。多湿に弱いので、水はけをよくするため山高に土を盛って植え付けます。

鉢植えは厳寒期を避け、3月中旬以降に植えます。鉢は6号~8号鉢(直径18cm~24cm)に1株とします。

ふやし方
さし木でふやすことができます。昨年の枝を3月頃に挿す休眠枝挿しと、新梢を6月頃に挿す緑枝挿しがあります。

収穫・利用
杯状仕立て枝の下の方にできた果実から順番に熟していきます。よく熟れてやわらかくなったものから収穫していきます。熟れたものは付け根に近い細い部分を持って軽く持ち上げるとキレイに採れます。

オイリング

果実の頂点にある目の部分にストローやスポイドなどで植物油を1~2滴指すと成熟が促進され、通常より1週間~10日早く収穫できます。これは植物油に含まれるエチレンが要因だとされます。この作業をオイリングと言います。
タイミングは果実の肥大が止まり、目が色づいてきた頃です。時期が早いと実の生育が悪くなり、遅いとあまり効果が見られません。

かかりやすい病害虫

テッポウムシが樹木を内部から食い荒らして樹を弱らせてしまいます。幹に穴が開いて木くずのようなものが出ているところがあれば、被害に遭っている可能性が高いです。穴に針金を突っ込むか、薬を注入して粘土などでフタをして駆除します。

ポイント
・品種は『秋果専用種』『夏秋兼用種』が扱いやすい
・水はけのよい土壌で育ちます
・肥料はしっかりと施します

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