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マンリョウ(万両)の育て方

マンリョウヤブコウジ(サクラソウ)科 学名:Ardisia crenata 用途 鉢植え 露地植え
難易度 バー バー バー バー バー(そだてやすい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(ふつう)

常緑性の低木で秋~冬にかけて小さな赤い実が枝にぶら下がるようにたくさん着きます。光沢のある葉と赤い実のコントラストが美しく、正月の縁起木として親しまれています

栽培カレンダー
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開花期
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花芽形成
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実が色づく
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植え付け
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剪定
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肥料
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季節・日常の手入れ ポイント

基本の剪定
ほとんど枝分かれせずに上に伸びていき、樹形も乱れないのであまり剪定をする必要はありません。

葉の付け根から短い小枝を伸ばして花が咲き実を付けて→葉が落ちて→小枝が枯れて→幹が上に伸びていく…というように古い枝葉をすべて落としながら上に伸びていきます。年を経るごとに葉や小枝の出る部分は上に行き、枝葉のなくなった幹の部分が長くなってきます。そのように間延びしてバランスの悪くなった幹を切り詰めて新たな芽を吹かせて仕立て直す幹の剪定が基本となります。作業の適期は4月~5月です。

ただし、幹を切り詰めるということは枝葉の茂っている上部ごとばっさりと切り落としすことになり一時姿が悪くなる上に(切る位置によっては地面から葉や枝のないひょろりとした幹が伸びているだけの状態)2~3年間は実が着きません。芽吹きは非常によいので、特に切る位置は決まっておらず好みの部分で切ればよいでしょう。切り落とした枝はさし木に利用できます。
幹を切り詰めたくない場合は以下を参考にしてください。

 

ばっさり幹を切るのがいやな場合 ヒント1 とり木で更新する
幹をばっさりと切り落とすのがためらわれるならとり木を行っても良いでしょう。とり木は適当な位置で幹の樹皮を幅7~8mmぐるりと剥がし湿らせた水苔をまいて乾かさないようにその上からビニールで包みます。そうするとその部分から根が出てきますので下の部分で切り離して土に植えます。切り離された元の株はやがて芽を吹きますし切り離した上部は新たな苗となります。とり木の適期は5月頃です。

 

ばっさり幹を切るのがいやな場合 ヒント2 苗で幹の部分を隠す
まだ背丈の低いマンリョウの苗木を用意しておき、間延びした木のそばに幹を隠すような感じで植え付るのもひとつの手です。実際、高低差のある3本ほどの木をまとめて植えた方が見栄えがします。

日当たり・置き場所
植栽適地林の中、高木の陰になるような場所に自生する樹木で、強い日射しや乾燥を嫌います。直射日光(特に西日)の当たる場所を避けて薄日が差し込む場所や明るい日陰で育てます。強い直射日光が常に当たる場所では葉が黒ずんで実付きも悪くなります。土が乾燥する場所も同様に実付きが悪くなります。逆に、環境が合うとさほど手間もかからず実を付けてくれます。通風が悪いと害虫が発生することがあるので風通しの良い場所を選ぶのも大切ですが、冬に乾いた寒風(北風)の当たる場所は避けます。もともと暖かい地方の木なので寒さには弱めで、寒冷地での植栽は不向きです。

水やり・肥料
地植えの場合、適地(極端に乾燥しないやや湿り気のある土壌)に植えていたら水を与える必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与えます。鉢植えで乾燥させてしまうと葉先から枯れ込んで生育が衰えます。常に土がじめじめしているような状態でも根腐れを起こして枯れてしまいますので土の表面が乾いてから水をやる、というようにメリハリを付けて適湿を保ちます。

肥料は2月と9月の年2回、油かすやゆっくり効く化成肥料を与えます。鉢植えの場合は固形の有機肥料が扱いやすいでしょう。さほど肥料を与えなくてもよく育ちますので量は少しでかまいません。

用土
腐葉土など腐植質のたっぷり入った保水力はあるけども、水が地表に溜まらずにさっと抜けるような土が適しています。鉢植えにする場合は赤玉土8:腐葉土2の割合で混ぜた土を用います。

植え替え・植え付け
植え付けの適期は5月もしくは9月~10月中旬です。地植えの場合は植える場所に腐葉土や堆肥を多めに混ぜ込んでおき、植え付け後は倒れないように支柱を立てます。

鉢植えの場合、鉢の底から根が伸び出てきたら鉢の中が根でいっぱいになっている証拠でで植え替えの合図です。生長度合いにもよりますが植え替えはだいたい2年に1回を目安に行います。

ふやし方
さし木、とり木、タネまきでふやすことができます。

さし木の適期は5月~7月で長さ5~6cmに切った枝を用土に挿します。若い枝の方が根が出やすいです。

タネまきは4~5月に実を採って果肉を取り除いて乾かさないようにすぐにまきます。タネをまいて4、5年で実のなる大きさの木になります。白実のタネは、とときどき赤い実の木が出ます。
とり木は「季節・日常の手入れ」の項を参照に。

かかりやすい病害虫
特に目立った害虫の被害は見られませんが風通しの悪い場所ではカイガラムシが発生することがあります。発見次第ブラシなどでこすり落とします。発生が多い場合は薬剤を散布して駆除します。

まとめ 
直射日光の当たらない明るい日陰が適しています
適湿な環境を好むので、鉢植えは水切れに注意
鉢植えは2年に1回程度植え替える

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