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ミルトニアの育て方

ミルトニアラン科 学名:Miltonia 用途 鉢植え
難易度 バー バー バー バー バーバー バー バー バー バー(ふつう~ややむずかしい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(ややよわい:10℃以上)

中央~南アメリカに分布するランの仲間です。樹木の幹などに根を張り付かせて生活する着生種です。アンデスの1000mを超す高地に自生する「高地性」と低地に自生する「低地性」の2タイプがあります。

栽培カレンダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
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植え替え
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肥料
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季節・日常の手入れ ポイント
支柱立て

花が大きい割には花茎が細くて弱いので花茎が伸びてきたら支柱を立てましょう。支柱を立てずにそのままほおっておくと花が咲く頃には花茎が花の重さで垂れ下がって下向きに花が咲いてしまいます。支柱は細めの同系色のものを使うと目立ちません。

生育パターン

基本的な生育パターンは春に花を咲かせた後、新芽を出します。夏は暑さで生長が止まることが多いです。秋に涼しくなると新芽が再び大きくなり始めてバルブが肥り、春に花を咲かせます。生育期は春~初夏と秋から初冬です。

日当たり・置き場所

5月~10月は屋外に出して育てますが、直射日光を避けた明るい日陰に置きましょう。強い直射日光に当てると葉が焼けてしまいます。葉が焼けると生育が大きく衰えます。

一番大きなポイントは夏越しです。ミルトニアは夏の暑さで弱ることが多いです。高地性の種類は特に暑さを嫌がります。夏は風通しのよい日陰で、できるだけ涼しくすごさせます。木陰などに吊して育てるのが理想的です。

秋になり最低気温が10℃を切る頃に室内に取り込みます。窓際のレースのカーテン越しくらいの日射しがちょうど良いでしょう。ただし窓際は夜間に冷えるので日が落ちたら室内の中程に移動させましょう。10℃を切らなければ枯れることはありませんが、やや高め(13~15℃)の方が元気に育ちます。夜間に10℃を切るような場合は、段ボールをかぶせるなどの防寒対策を行った方が良いでしょう

水やり・肥料
生育期の水やり

根が細くて水分が逃げやすく、乾燥に弱いです。油断するとすぐに乾燥状態になってしまいます。植え込み材料の表面を触ってみて湿っていなかったら水を与えるようにしましょう。また、過湿にすると根ぐされをおこしやすいので気をつけます。空気中の湿度が高いのを好むので夏は夕方に葉や株全体にも水をかけます風通しが悪くて湿度が高いと夏場は株が蒸れて腐る恐れもあるので、しっかりと風の通るところで育てることが大切です。

休眠期の水やり

最低気温が10℃以下になると休眠に入ります。冬は水やりの回数を控えて植え込み材料の表面が乾いてから1~2日後に水を与えるようにします。新芽に水がたまると腐ることがあるのでティッシュなどで水を吸い取ります。

肥料

生育期は薄めの肥料を定期的に与え、途切れさせないようすることが大切です。4月~6月にかけて液体肥料を1000倍に薄めたものを月に2回ほど与えます。真夏は生長が止まっているなら肥料は与えませんが、順調に生育しているようなら同様に与えます。9月~10月にかけて液体肥料を2000倍に薄めたものを月に2回与えるようにします。

用土
水ゴケを使用します。

植え替え・植え付け
植え込み材料が黒く傷んでいたり鉢が株で一杯になってしまった場合は植え替えます。目安は2年に1回です。最低温度が10℃以上保てるのなら、3月~4月に植え替えを行います(ただし花芽が伸びている株は9月まで植え替えない)。根をしっかりと張らしておいて暑さに耐えられる丈夫な株にするため春は早めに植え替えます。5月以降は暑くなってくるので植え替えは行いません。この時期に植え替えできなかった株は夏の休眠期が開けて新芽が動き出す9月に植え替えても良いでしょう。

植え替えは通気性を考えて素焼き鉢を使用します。鉢の1/3くらいの所まで軽石や鉢かけを入れておきます。新芽の伸びる方向にスペースを空けて植え付けましょう。また根が細くて折れやすいので傷んだ水ゴケを取り除いたり枯れた根を切り落とす以外あまりいじらずにそのまま一回り大きな鉢に植え替えてもかまいません。植え替え後2週間は水やりをやや控えめに、こまめに葉に水をかけて空気中の湿度を高く保つようにします。鉢が大きいと過湿になりやすいので、株がはみ出さない限り気持ち小さめの鉢を使った方がよいです。

ふやし方
株が大きくなったバルブがたくさん出て大株になったら株分けでふやすことができます。適期は植え替えと同じ時期です。株を分けると生育する勢いが衰えて、次に出てくるバルブが小さくなって花が咲かないこともあるので(「作落ち」といいます)、よくわからない場合はやらないほうが無難です。

かかりやすい病害虫
ハダニ カイガラムシ

ハダニは葉の裏、カイガラムシはバルブや葉について吸汁します。ほおっておくとどんどん増えて植物を弱らせてしまうので早めに駆除します。ハダニは高温で乾燥する時期によく発生するので、葉に水をかけてまわりの湿度を高く保っておくと、ある程度予防することができます。ハダニは軟らかいブラシ(古歯ブラシなど)でごしごしこすって剥がすのが確実な駆除方法です。

まとめ 
根が細くて乾燥に弱い、生育期は注意
越冬温度は10℃以上を目安に
暑さに弱いので夏はできるだけ涼しく

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