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Topページ草花のタネまき基礎知識

7. 箱(育苗箱)にタネをまく

箱まきの利点

育苗箱は底の浅い長方形の容器で、あらかた樹脂製です。直接タネを入れてタネまきやさし木をするほか、苗を植えた小鉢をまとめておくなど、用途の広い園芸道具です。

粒が比較的大きいタネ、たくさんのタネをまきたい、同じ植物の異なる多品種を同時にまきたい場合は箱まきが適しています。

粒の細かいタネ、少量まきたい場合は平鉢まきが適しています。箱まきとの違いを知るため、こちらも併せておすすめします。

必要なもの

育苗箱、タネ、用土
あれば便利…かまぼこ板のような板きれ

育苗箱がなければ、底に穴を空けたイチゴパックや発泡スチロールの平箱でも同じように栽培できます。以下の手順を読んで、使えそうな容器を自分で見つけてみましょう。タネまきに使う用土は、床まきの種類と方法#どんな土を使うかを参照にしてください。

手順1 タネまきから芽が出るまで

1.土を入れてならす

育苗箱に用土を入れてならします。板きれなどがあれば、きれいにならすことができ便利です。土はいっぱいまで入れず、1~2cm程度スペースを空けましょう。そうしないと水を与えたときに土がこぼれます。

土を入れてならす

2.溝を付ける

板きれや割り箸で溝を付けていきます。深さは1cm、間隔は3cmを目安にして等間隔になるように付けます。

溝を付ける

3.タネをまく

付けた溝に沿ってタネを一粒ずつ、重ならないように間隔を空けてまいていきます(条まき)。タネが指でつまみにくい場合は、ピンセットを使います。

タネをまく

4.土をかぶせる(覆土)

細かい目のふるいを使って、土をかぶせます。かぶせる土の量は溝の凹凸が埋まってタネが完全に隠れる程度に。

土をかぶせる(覆土)

5.水やり

育苗箱がすっぽり浸かる容器があれば、水を張って底面から吸水させます(腰水)。

なければ、目の細かいじょうろや噴霧器などで、タネが浮いたり土が掘れたりしないよう静かに水を与えます。水は底から流れてくるくらいたっぷりと与えます。

水やり

6.仕切りと名札立て

多品種をまいた場合、わからなくなるのでしっかりと名札を立て、割り箸などの目印を仕切り代わりに置きます。手間でなければ、プラ板や木板をしっかりと差し込んで間仕切りしても良いでしょう。

仕切りと名札立て

タネまき後の管理

タネをまいた後は、雨の当たらない明るい日陰で、乾かさないように管理します。

手順2 間引き

発芽したら

胚軸と徒長植物にもよりますが、タネまき後1週間から2週間くらいで発芽がはじまります。次々と発芽してきたら日当たりの良い場所に移動させます。日当たりが悪いと胚軸が間延び(徒長)して、倒れてしまいます。

日当たりの良い場所では土がよく乾くので、水切れさせないように気をつけましょう。小さな苗は乾燥状態になると、ちりちりに枯れ上がってしまいます。

1.間引く

苗が育ってくると、隣同士のスペースがなくなってきます。葉っぱ同士が重なってしまうと、風通しと日射しが充分えられず、徒長したり病害虫にかかりやすくなります。

本葉が2枚ほど出た頃に、混み合っている部分はピンセットを用いて間引きします。

苗が大きくなると、となりの苗ごとひっこ抜けてしまうので、早めにしましょう。

間引く

2.肥料

草花に与えるのと同じ濃さに薄めた液体肥料を与えます。受け皿を強いている場合は、底に注いで底面から吸水させます。

ない場合は、水差しなどを用いて株元から静かに与えます。

このあとは『9.移植する』に続きます。

肥料

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