果実を愛でる
ホオズキ
科名:ナス科学名:Physlis alkekengi var. franchetti原産地:東アジア草丈:60cm-90cm果実鑑賞:7月~8月栽培難易度:
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ホオズキとは
東アジア原産とされていますが、詳しい自生地はわかっていません。分類上はヨーロッパ~中央アジアに分布するヨウシュホオズキの変種という位置づけです。現在はもっぱら観賞用として栽培されていますが、昔は根を乾燥させたものが薬として利用されていました。
初夏~夏に淡いクリーム色の小さな花を咲かせ、提灯のような袋に入った果実ができ、お盆頃に赤く色づきます。袋の部分は萼が大きく発達したもので、専門用語で宿存萼と呼ばれます。袋の中の丸い果実の中にはたくさんのタネが入っています。冬になると茎葉が枯れますが地下茎があり、春になるとたくさんの芽を出します。
切り花向きには果実が大きくて色づきの早いタンバホオズキ、鉢物には草丈が低いサンズンホオオズキと呼ばれる園芸品種が多く栽培されています。変わり者に、萼の変化した苞葉がたくさん付いて花穂のように垂れ下がる、ヨウラクホオズキがあります。ヨウラクホオズキは果実ができません。
ホオズキの名前の由来はよくわかっていません。属名のフィサリスはギリシア語のフィサ(Physa:ふくれた)に由来し、袋状にふくらんだ果実(宿存萼)の姿から来ています。古事記に出てくる「赤加賀智(あかかがち)」は、ホオズキのこととされています。
仲間
ホオズキの仲間(フィサリス属)は80種~100種の仲間が知られています。ヨーロッパやアジアにも分布しますが、多くはアメリカ大陸原産です。
センナリホオズキ〔P. angulata〕は熱帯アメリカ原産で、実を結んだ後に枯れてしまう一年草です。果実は熟しても赤くならず、透明感のある淡い黄色に色づきます。日本には古くから野生化しており、もともと浅草寺のホオズキ市で扱われていたのはこちらの方です。
ショクヨウホオズキ〔P. pruinosa〕、オオブドウホオズキ〔P. ixocarpa〕、シマホオズキ〔P. peruviana〕などは果実を食用とします。
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