炎天下にこそ本領発揮

マツバボタンとは

スベリヒユ科 「ま」からはじまる植物 夏~冬に咲く草花

マツバボタン
この植物の育て方
科名
スベリヒユ科
学名
Portulaca grandiflora
別名
ヒデリグサ ツメキリソウ
原産地
ブラジル アルゼンチン
大きさ
高さ15cm~25cm
開花期
6月~9月
難易度
★☆☆☆☆(やさしい)

こんな植物です

春にタネをまいて夏から秋に花を楽しむ春まき一年草で、夏の定番草花の一つです。同じ仲間(属)のハナスベリヒユもポーチュラカの名前で広く出回り、夏花壇や鉢植えに広く利用されています。

細い茎は細かく枝分かれして、這うように広がっていきます。葉は肉厚の棒状で先端がやや尖っていて短いです。茎、葉とも多肉質で水分をたっぷり蓄えられ、乾燥に強いです。茎の先端につぼみを付けて、大きくふくらんだものから1輪ずつ咲いていきます。花は短命で1~2日程でしぼんでしまいますが、すぐに新たなつぼみが開いて夏の間は次々と花を咲かせてくれます。花は径3cm~5cmほどで、一重と八重咲きがあります。色は赤、ピンク、サーモンピンク、オレンジ、黄、白など豊富で絞り模様もあります。おしべは軽く触れるとめしべの方向に動くおもしろい性質があります。タネは非常に細かいですが、気温があればよく芽を出します。

名前の由来

葉を松葉、花をボタンになぞらえてこの名前があります。炎天下にもよく花を咲かせるので「ヒデリグサ(日照草)」、茎を切って土に挿しておくと簡単に根が出てふえるので「ツメキリソウ(爪切り草)」もしくは「ツミキリソウ(摘み切り草)」の別名があります。英名の「eleven o clock」は朝に開花して昼前にしぼむ性質に、「rose moss」は花をバラ、草姿をコケに例えたものです。

学名はポーチュラカ・グランディフローラ。ポーチュラカはラテン語のポルト(porto:もっている)とラク(lac:乳)からなり、「乳液をもつ」と言う意味ですがマツバボタンは葉や茎を切っても乳液は出さず、(ぬめっとした粘液は出ます)、由来は不明です。グランディフロラは「大きな花」の意です。


品種

本来は朝に花が開いて昼前に閉じますが、現在は夕方まで咲き続ける園芸品種の「終日咲き」がよく栽培されています。茎と茎の間が極端に短くて、花付きが非常によい極矮性種は鉢植えに適します。「ジュエル」は冬の寒さを避けると枯れずに毎年花を咲かせる多年草です。遺伝的に特異とされ、普通のマツバボタンとの間にタネを作ることはできません。一重大輪で赤紫色が一般的ですが、白花種もあります。

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