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スーッとするハーブ

ミント

ミント
科名:シソ科
学名:Mentha
原産地:北半球の温帯 アフリカ
草丈:10cm-1m
開花期:6月~9月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(育てやすい)

くわしい育て方

〔〕内は学名、M.はMenthaの略

ミントとは

北半球の温帯やアフリカに25種が分布します。多くの種は毎年花を咲かせる多年草ですが、花後に枯れる一年草もあります。日本にはハッカと、まれにヒメハッカが自生しています。葉っぱを軽くこするとただよう清涼感のある香りが特長で、ハーブとして有名な植物です。

草丈は20cm~1m、多くは地下茎を出して横にも広がっていきます。タネができない種もありますが、たいがいが繁殖力旺盛で地植えには慎重な判断が必要です。中には、コルシカミントのように茎が立ち上がらずにマット状に茂る種もあります。

葉っぱの大きさや姿も種により異なり、くしゃくしゃに縮れた葉をもつカーリーミントのようなユニークな種もあります。主な開花期は夏~秋で、茎の先端や葉の付け根に小さな花をまとめて咲かせます。花色は白や淡い紫が多いです。

利用

一番の特長は精油(エッセンシャルオイル、香りの元)に含まれるメントールなどのもつ清涼感です。日本でもガムや飴、歯磨き粉などに広く利用されているので、認知度は高いと思います。タイやベトナムなど東南アジアの料理には香辛料として欠かせない食材のひとつです。その他にもお菓子やハーブティーなど食用をはじめ、ポプリや染色などクラフトにも利用される汎用性の高いハーブです。

代表的なのはペパーミントとスペアミントの2種です。 ペパーミントはアイスクリームやガム、肉料理に添えるミントソース、スペアミントはエスニック料理などが有名ですが、どちらも国や地域を越えてたくさんの人に好まれ、広く利用されています。市販されているガムや飴のラインナップを見ていると、日本では清涼感の強いペパーミントが好まれているようです。

日本では食卓に上ることは少ないですが、メントールが化学合成できるようになるまでハッカが栽培されており、蒸留精製されたメントールとハッカ油が世界各地に輸出されていました。第二次世界大戦直前は金額で日本は最大輸出国のひとつだったそうです。

種類

原種は25種ほどあるとされますが、40種くらいという解釈もあります。同じ種の中でも姿や香りの変異(変種)が多く、さらに、異なる種どうしで簡単に雑種ができてしまいます。それらの変種や雑種を含めると、総数はもっともっと多くなります。

ミントというと清涼感と言うイメージがありますが、香りには種ごとに個性があってそれも魅力のひとつです。種の異なるミント同士で簡単にタネをむすんで雑種をつくるので、タネを採って増やす場合は注意が必要です(もとからタネができない種もあります)。雑種は香りなどの質が親より劣ることがあります。

ハッカ〔M. arensis var. piperascens〕
日本、中国、シベリア、サハリンなどに分布します。草丈は60cmほどで、葉の付け根に淡い紫色の小花が固まって咲きます。ミントの中でもメントールの含有量が高く、日本では精製されたメントールやハッカ油が多く輸出されていました。

ペパーミント〔M. ×piperia〕別名セイヨウハッカ

ウォーターミントとスペアミントがかけあわさってできた雑種だと言われています。粘膜にひんやりとした感覚と強い刺激を与えるクールな風味がウリで、ガムや飴、ミントティーでおなじみです。草丈は60~90cmになり、茎の先端に小花が穂状に咲きます。花色は藤色がかった淡いピンクです。葉は先端が尖った長だ円形です。
変種にレモンのような香りがするオーデコロンミント〔var. crista〕があります。香りがよいのでポプリなどに適しています。園芸品種に葉や茎が暗めの紫色になり、全体的に黒っぽく見えるブラックペパーミントがあります。丈夫で育てやすいので、広く出回っています。

スペアミント〔M. spicata〕別名オランダハッカ ミドリハッカ
ヨーロッパ、中近東、東南アジアなどで広く親しまれているミントで、ヨーロッパに広く分布します。清涼感はそこそこで、香りに甘さがあるのが特長です。エスニック料理やモヒートに欠かせないハーブのひとつです。茎の先端に小さな花を穂状に咲かせます。花色はピンク、白、藤色などがあります。葉はだ円形で網目状に葉脈が入ります。
変種に葉っぱが縮れるカーリーミント(チリメンハッカ)〔var. crispata〕があります。くしゃくしゃに縮れた葉っぱがスペアミントと全然違うのでおもしろいです。

アップルミント〔M. suaveolens〕別名 マルバハッカ
熟れた甘いリンゴにミントをあわせたようなすっきりした甘みのある香りがします。ペパーミント、スペアミントに次いでポピュラーなミントで、お菓子や料理、お茶に利用されます。葉っぱは丸みがアリ、表面には白い毛が生えて触ると柔らかな感じがします。
品種に葉のフチがベージュ色になる斑入りのパイナップルミント〔’Variegata’〕があります。

ペニーロイヤルミント〔M. pulegium〕別名 メグサハッカ
ペパーミントの香りをさらに強くしたような香りがします。茎は立ち上がらずに横に這うように伸びていきます。葉は丸っこくて、縁にぎざぎざが入りません。品種に葉が細かくて密につくカニングハムミント〔'Cunningham Mint'〕があります。

コルシカミント〔M. requienii〕
葉は非常に小さく、茎は這うように伸びて地面を被うように茂ります。香りはペパーミントに近いです。吊り鉢や寄せ植えにするとかわいらしいですが、日本では多湿期に蒸れて夏は葉が枯れ上がることが多いです。

ギリシア神話と名前の由来

属名のメンタはギリシア神話に登場するメンテという名前のニンフ(妖精)に由来します。メンテは冥界の王ハデスの寵愛を受けましたが、ハデスの妻ペルセフォネの嫉妬を買い、踏みつけられて草に替えられてしまいました。この草がミントで、草となってもメンテは美しさを示すような芳香を放ったということです。

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