キラキラ光る粘液
モウセンゴケ
科名:モウセンゴケ科学名:Drosera原産地:世界中草丈:5cm-1m開花期:主に初夏~夏栽培難易度:
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モウセンゴケとは
世界中に200種類が以上が知られる食虫植物の仲間で、日本にも数種類が分布しています。主に栄養分の少ない湿地に自生します。
葉っぱ(葉身)の表面に腺毛(せんもう)と呼ばれる毛がびっしりと生えています。この部分で虫を捕らえるので、捕虫葉とも呼ばれます。腺毛は通常赤く、その姿が緋毛氈(-ひもうせん- 赤く染められたフェルトの敷物)のように見えるところから、この名前があります。コケとつきますがコケの仲間ではなく、種子植物です。主な開花期は初夏~夏で、花茎を伸ばして5枚の花びらを持つ小さな花を順番に咲かせます。花色は白や赤があります。
ヨツマタモウセンゴケの花 |
葉っぱの形や大きさは種によって様々です。海外種には草丈が1mに達するものもあります。スプーンのように丸っこいもの、細長くなるもの、先端が「さすまた」の様に分かれるものなど、個性的です。葉っぱが長くて大きい種はトンボやチョウなど比較的大きな昆虫が獲物になり、ちっちゃな種はアブラムシやブヨがターゲットになります。
属名のドロセラはラテン語のドロセロス(露の多い)からきており、腺毛から粘液を露のように出すところにちなみます。
虫のとらえ方
腺毛の先からねばねばした粘液を出して、虫を捕らえます。虫を捕らえた葉は、たくさんの粘液を分泌します。そして腺毛や葉身が虫をがんじがらめにするよう内側に巻き込みます。2~3枚の葉っぱが協力して1匹の虫を絡め取ることもあります。
粘液は捕らえた虫を消化する役割もあり、消化された虫は腺毛から吸収されて栄養になります。消化するまでに虫が腐らないための防腐効果もあるとされています。粘液は虫にとって恐ろしいものですが、朝露のように透明感があり、日射しに当たるとキラキラして非常に美しいです。
食べられるものと食べられないものを区別できる賢い植物です。仮に石ころや金属片を葉っぱの上に置いても、最初に腺毛が少し動きますがそれだけで、粘液も追加で分泌されません。
分類
分布地域や気候、性質の違いから「寒地性」「温帯・暖地性」「熱帯性」「塊茎性」「ピグミー種」「南アフリカ系」などに分類されます。
寒地性
シベリヤ・アラスカなどの亜寒帯気候に分布するグループです。暑さに弱くて日本の夏は苦手です。
温帯・暖地性
日本の一般的な気候下では一番とっつきやすいグループです。
熱帯性
雲霧が暑くかかる熱帯林などに分布するグループです。湿度の高い環境が好きです。
塊茎性
球根を作るグループ。
ピグミー種
株が非常に小さなグループです。また、他のグループと違って乾燥気味の場所に自生します。
南アフリカ系
南アフリカのケープ地方に分布します。とっつきやすいものもあります。
種類
ヨツマタモウセンゴケ |
モウセンゴケ〔D. rotundifolia〕
最もポピュラーで、日本での分布域も広い種です。
コモウセンゴケ〔D. spatulata〕
株が小さく葉は地面にくっつくような位置で、輪状につきます。やや寒さに弱い。
トウカイモウセンゴケ〔D. tokaiensis〕
モウセンゴケとコモウセンゴケが自然にかけあわさってできたとされます。
ナガバノモウセンゴケ〔D. anglica〕
寒地性タイプで、暑さに弱いです。捕虫葉が長いのでこの名前です。
イシモチソウ〔D. pelata〕
日本に自生する中では、唯一の塊茎性です。
ヨツマタモウセンゴケ〔D. binata〕
葉っぱが4又になります。