ナデシコ(ダイアンサス)
- 科名
- ナデシコ科
- 学名
- Dianths
- 別名
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- 原産地
- ユーラシア~南アフリカ
- 大きさ
- 15cm~80cm
- 開花期
- 5月~6月(春咲き性)
4月~6月 / 10月~11月(四季咲き性) - 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
〔〕内は学名、D.はDianthsの略
ナデシコは世界の広い範囲(日本を含む)におよそ300種が分布します。切り花、鉢花、花壇などに広く利用され、日本でも自生種が古くから愛されています。
毎年花を咲かせる多年草が多いですが、花後に枯れる一年草もあります。園芸ではカーネーション以外のナデシコ類を総称してナデシコ(もしくは学名でダイアンサス)と呼ぶことが多いです。カーネーション〔D. caryophyllus〕もナデシコの仲間ですが、園芸では一分野として確立されており、別物として考えるのが一般的です。ただ、セキチクとカーネーションを掛け合わせたダイモンジナデシコのような品種もあるので、線引きは曖昧です。
葉っぱは先端がとがって細長く、ササを小さくしたような形です。花は茎の先端に1~数輪付けます。花びらは基本5枚で、縁がギザギザになります。色はピンク、白、緋色などがあります。開花期は種によって違いがあり、主に春咲き性と四季咲き性に分けられます(四季咲き性と言っても夏と冬は咲きにくく、実質は春と秋が花どきです)。
名前の由来
ナデシコの学名ダイアンサスは「神の花」や「神聖な花」という意味で、花の美しさや香りに由来します。ギリシャの植物学者テオフラストゥスによる命名とされます。ナデシコは「撫子」の漢字を当てます。これは「撫でていつくしむ愛らしい子」を意味します。ギリシアと日本では自生する種が違いますが、ナデシコの花に対する認識は同じだったようです。
種類
園芸で栽培される中で、特にメジャーな種を紹介します。
カワラナデシコ〔D. superbus var. longicalycinus〕
日本に自生する代表的なナデシコで、ナデシコ、ヤマトナデシコとも呼ばれます。カワラ(河原)と付きますが、河原だけでなく山野でも見られます。「撫子」の名前は本種が由来です。古くから花が愛でられており、源氏物語や枕草子にも出てます。
カワラナデシコ
セキチク〔D. chinensis〕
中国原産で、日本には平安時代に渡来しました。「石竹」の字を当てます。これは、「石の間に咲くタケのような草姿の花」という意味です。草丈の低い三寸セキチク、五寸セキチクなどの品種が古くから親しまれています。一年を通して開花する性質(四季咲き性)が強く、カーネーションの親のひとつとしても知られます。改良品種のトコナツ(常夏)〔var. semperflorens〕は四季咲き性で、江戸時代に日本で流行したと言われています。
イセナデシコ〔D. × isensis〕
トコナツとともに、江戸時代に流行したと言われています。花びらが大きく切れ込み垂れ下がる姿は、他のナデシコ類とは一線を画す珍奇な花姿です。カワラナデシコとセキチクの雑種から改良された品種とされます。
ヒゲナデシコ〔D. barbatus〕
ヨーロッパ原産で、ビジョ(美女)ナデシコとも呼ばれます。茎の先端に小さめの花がボール状にまとまって咲く姿が愛らしいです。日本には明治の中頃に入ってきました。丈の高い高性種は切り花に、低い矮性種は鉢や花壇に向きます。タネからでもよく育ちます。花の下の方に付く総苞がヒゲのように見えるのでこの名前があります。
ヒゲナデシコの一種
テルスター系
セキチクとヒゲナデシコを掛け合わせたF1品種です。四季咲き性で花色が豊富、花壇などで広く利用されます。
関連する植物
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カーネーション
ナデシコ科
高温多湿が苦手で、夏越しがポイント。に開花中はよく日に当てることが大切。