- 科名
- ミカン科
- 学名
- Zanthoxylum piperitum
- 別名
- ハジカミ
- 原産地
- 日本 朝鮮半島
- 大きさ
- 高さ2m~5m
- 開花期
- 3月下~4月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
日本、朝鮮半島南部を原産とする落葉性の低木です。日本では古くから親しまれている香辛料で新芽、若葉、つぼみ、果実などを食用として利用します。雄株と雌株があり、春に花を咲かせて雌株は果実を付けます。未熟な青い果実は佃煮などに利用されます。熟してはぜた果実の皮の部分を粉にしたものがウナギの蒲焼きなどでおなじみの粉山椒です。若い芽は「木の芽」と呼ばれ和え物などに使われます。舌を痺れさせるような清涼感のある辛みと独特の香りがあります。ちなみにこの独特な辛みのもとの正体はサンショールと呼ばれる成分にあります。
比較的栽培しやすい木ですが、他のミカン科植物同様アゲハチョウ類がつきやすいです。
名前の由来など
別名をハジカミといいます。「ハジ」は熟した果実の皮がはぜるところにちなみ、「カミ」はニラの古名でニラのように辛いという意味です。属名のザントクシルムはギリシア語で「黄色い木材」の意味で、心材(芯に近い部分の材木)が黄色くなるところに由来します。サンショウの木は材質が堅くほのかによい芳香がするので、すりこぎの材料としても有名です。
品種
葉の付け根に一対のトゲを付けますが、栽培されているものの多くはとげのほとんどない変種、アサクラザンショウ〔f. inerme〕です。アサクラサンショウは果実が大きくて香りがよく、種と皮が外れやすいなどの利点があります。兵庫県養父市八鹿町朝倉で発見されたのでこの名前がありますが、他の地域でも見られるそうです。営利栽培ではサンショウを台木にして、そこにアサクラザンショウを接いだものが広く用いられています。トゲの短いヤマアサクラザンショウ〔f. brevispinum〕は本州中部に自生します。
その他の仲間
〔〕内は学名、Z.はZanthoxylumの略
サンショウの仲間は日本を含む東アジア、北アメリカに15種が知られます。日本ではサンショの他に、イヌザンショウ〔Z. schinifolium〕、カラスザンショウ〔Z. ailanthoides〕常緑性のフユザンショウ〔Z. armatum var.subtrifoliatum〕などがよく知られます。これらは一般的に食用とされることはないようです。カホクザンショウ〔Z. bungeanum〕は「花椒(ホアジョウ)」の名前で中華料理では香辛料として使われます。
画像
関連する植物
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ルー(ヘンルーダ)
ミカン科 難易度★★★☆☆
強い殺菌、防虫効果があり、ハーブとして利用されます。実の形がサンショウに似ています。