シクラメン
- 科名
- サクラソウ科
- 学名
- Cyclamen
- 別名
- カガリビバナ ブタノマンジュウ
- 原産地
- 地中海沿岸 小アジア
- 大きさ
- 高さ10cm~25cm
- 開花期
- 11月~4月
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名、C.はCyclamenの略
シクラメンの仲間は地中海沿岸を~小アジアにかけて十数種類が分布します。その中でも一般に鉢花として栽培されているのはシクラメン・ペルシカム〔C. persicum〕(以下、ペルシカム)から改良された園芸品種で、単に「シクラメン」と言うとそれらを指すことが多いです。
地中から地際に球根(地下茎が肥大した塊茎-こんかい-)を持ちます。球根は球茎を上下に少し押しつぶしたような形です。葉はハート型で縁に細かなギザギザが入り、銀白色の模様が入ります。球根から花茎を伸ばし、その先端に1輪の花を咲かせます。花びらは上に反り返ります。
名前の由来
名前の由来はギリシア語のキクロス(kiklos:らせん・円)に由来し、受粉すると花茎がくるくるとらせん状に巻く姿にちなみます(丸い球根の姿に由来するという説もあります)。
和名のブタノマンジュウ(豚の饅頭)は球根の形から、別名のカガリビバナ(篝火花)は花の姿に由来します。
園芸品種と歴史
18世紀~19世紀
ペルシカムは18世紀にトルコのキプロス島からイギリスに導入され栽培が始まりました。それから、野生種とは異なる花色のものが作られましたが、花の大きさ自体は小さいままでした。
19世紀後半に現在のシクラメンの元となる大輪の品種が次々と作られました。代表的な品種に「ギガンテウム」「ユニバースム」などがあります(残念ながらこれらの品種は現存しません)。
20世紀
それまで存在しなかった赤色やサーモンピンクのシクラメンが20世紀初頭にできました。縁が細かく波打つフリンジ咲きの「ヴィクトリア」はこの頃作られて現在まで栽培されています。繊細かつ豪華な雰囲気を持つ花です。これ以外にも当時作出された品種の多くが現在でも栽培されています。
1960年にオランダでパステルカラーの品種群「バッハ」「ハイドン」「シューベルト」などの音楽家シリーズ(?)がつくられ、日本でも鉢花向きに広く普及しています。
ミニシクラメンはペルシカムに他の園芸品種を掛け合わせてつくられた小型の品種で、様々な系統があります。ガーデンシクラメンはミニシクラメンの中から耐寒性の強いものを選んで育種された品種です。ベランダや屋外でも冬越しできるので、春の草花の寄せ植えなどに広く利用されています。
また、八重咲きや芳香性の品種も知られています。日本ではヨーロッパほど普及していませんが切り花用の品種も作られています。
原種シクラメン
野生から品種改良されていない種は原種シクラメンと呼ばれます。園芸では鉢花のシクラメンとは区別して扱うことが多いです。
その他の画像
1.ペルシカム 2.らせん状に巻く花茎
関連する植物
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原種シクラメン
サクラソウ科 難易度★★★☆☆
野生種のシクラメン。美しく、野趣があり美しくてかわいらしい。