タイム
クリーピングタイム
- 科名
- シソ科
- 学名
- Thymus
- 別名
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- 原産地
- 北半球
- 大きさ
- 高さ15cm~30cm
- 開花期
- 4月~6月 / 9月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
〔〕内は学名、T.はThymusの略
北半球におよそ300~400種の仲間があります。その中でもヨーロッパ南部原産のコモンタイム〔T. vulgaris〕がハーブとして有名で、単にタイムというと本種を指すことが多いです。コモンタイムは和名でタチジャコウソウと呼ばれます。栽培変種が多く、葉に白い縁取りが入るシルバーポジータイム〔T. vulgaris 'Silver Posie'〕は鉢植えや花壇にも適してます。
常緑性の低木で、枝は斜め上方向に伸びていき先端が立ち上がります。株元から細かく枝分かれして、こんもりと茂ります。葉は5mmほどで細かく、枝に密生します。繁殖力は旺盛で、枝の節が地面に付くとそこから根を出します。春~初夏にピンク色の小さな花を枝先にたくさん咲かせます。開花時は花のクッションのようでかわいらしいです。料理など実用的な用途の他、株姿や花も十分楽しめるハーブです。
種類
たくさんの種類がありますが、ハーブとして主に利用されるのはコモンタイム、レモンタイム、クリーピングタイムです。タイム類は茎が立ち上がる立性と、這うように広がる這性の2タイプがあります。這性タイプは地面を覆うグラウンドカバーにも向きます。
レモンタイム〔T. × citriodorus〕
コモンタイムとラージタイムの雑種です。レモンのような爽やかな香りが特長で、料理にもよく用いられます。園芸品種のゴールデンレモン〔T. × citriodorus 'Aurea'〕は葉に黄色い縁取りが入って見た目も美しく、寄せ植えなどに適します。
クリーピングタイム〔T. serpyllum〕
ヨーロッパに広く分布する種で、ワイルドタイムとも呼ばれます。花色は紅桃色です。ピンク花や白花、葉に黄色い縁取りの入る品種などがあり、バラエティーに富む。枝の先端はあまり立ち上がらずに、名前の通り這うように広がります。花の満開時期は株全体がピンク色のカーペットのようになり、非常に可愛らしいです。
イブキジャコウソウ〔T. serpyllum ssp. quinquecostatus〕
クリーピングタイムの亜種で、東アジアに分布します。紫紅色の花を咲かせます。日本に唯一自生するタイム類です。 ハーブとしては利用されません。
その他
利用
爽やかな芳香とほろ苦い風味があり、肉・魚介料理、煮込みのブーケガルニ、ドレッシングなどに利用されます。パンやバターに練り込んだり、油や酢に漬け込んで香りを浸出させたハーブオイルやハーブビネガーなどにもされ、用途は広いです。料理以外にはリースやポプリなどのクラフトにも利用されます。乾燥させても香りは十分残るので、保存にも適してます。
由来・歴史
タイムの名前は属名「ティムス(Thymus)」の英名です。’Thymus’はギリシア語の’thuo’(消毒)からきているとされます。主成分のチモールは殺菌・防腐効果に優れ、肉や魚の保存剤としても用いられていました。また、ギリシア語の’thumus(勇気)’を由来とする説もあります。古代ローマ・ギリシアでは「品位・優雅・勇気」、中世ヨーロッパでは「勇気・活動・行動力」の象徴とされ、男らしさを表すものでもありました。
古代ローマ・ギリシアではチーズやお酒の風味付け、入浴剤として利用されていました。また、花はミツバチが好むとされ、16世紀~17世紀のイギリスではハーブガーデンに好んで植えられました。タイムの蜂蜜は独特の芳香としっかりとした甘みが特長です。
ヨーロッパでは古くから利用されているだけに、神話や文学作品に多く登場します。ギリシア神話ではスパルタ王の妻ヘレナの涙から生まれた草とされ、シェークスピアの「真夏の夜の夢」ではタイムの生い茂る堤が妖精の女王の住まう場所として登場します
その他の画像
1.イブキジャコウソウ 2.コモンタイム(栽培品種)3.ロンギコーリスタイム 4.斑入り葉品種
関連する植物
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ローズマリー
シソ科 難易度★★☆☆☆
濃緑色の細い葉が特長。立ち上がるタイプと垂れ下がるタイプがある。