ディスキディアの育て方
- 科名
- ガガイモ科
- 学名
- Dischidia
- 別名
- フクロカズラ カンガルーポケット ミリオンハート
- 原産地
- 東南アジア オーストラリア
- 大きさ
- つる性 30cm~2m
- 主な開花期
- 6月~8月
- 耐寒性
- よわい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
東南アジア~オーストラリア、太平洋諸島に約80種類が分布するつる性の多年草で、茎の節から根を出して岩や樹木に張り付いて成長する着生植物です。一部の種は葉が肥大して内部が空洞になった貯水嚢(ちょすいのう)をつくります。貯水嚢 の内部には根が生えており、そこから水分や養分を吸収することができます。貯水嚢内部がアリの巣になり、根が内部に入り込んで運び込んだ土や排泄物を養分とすることもあります。このように器官の一部がアリの巣となる植物を「アリ植物」と呼びます。
名前はギリシア語のディスキデス(2つに裂けた)に由来し、花姿に由来するそうですが詳細ははっきりしません。
種類
〔〕内は学名、D.はDischidiaの略
貯水嚢をつくる代表的な種としてラフレシアナ〔D. rafflesiana〕(別名:アケビモドキ)、ペクテノイデス〔D. pectenoides〕(別名:フクロカズラ)があります。ペクテノイデスは「カンガルーポケット」の名前で鉢植えにしたものがよく出回ります。
貯水嚢は付けませんが夏に咲く小さな赤色の花がきれいなルスキフォリア〔D. ruscifolia〕も鉢植えとして流通しています。また、つるの垂れ下がる姿が美しいベンガレンシス〔D. bengalensis〕やその斑入り品種バリエガタ〔D. bengalensis 'variegata'〕、葉が小さくてかわいらしいヌンムラリア〔D. nummularia〕などが知られています。
育て方
- ・真夏は直射日光を避ける
- ・水のやり過ぎに注意
- ・耐寒温度は5℃~10℃
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 5月 |
---|---|
肥料 | 5月~9月 |
日常の手入れ
つるが長く伸びるので、つり鉢に仕立てたり何かに絡ませて育てます。温室のように一年を通して高温と多湿をキープできる設備があるなら、ヘゴづけにして栽培することも可能です。
日当たり・置き場所
春と秋は日当たりの良い場所か半日陰の場所におきます。真夏は直射日光に当てると葉が傷んでしまうので明るい日陰に置きます。
耐寒温度は5℃~10℃、冬でも成長させるなら12℃以上の気温が望ましいです。屋外での越冬はむずかしいので、冬は室内で育てます。日当たりを好むので、室内でもなるべくよく日の当たる場所に置きましょう。
水やり・肥料
土の乾燥には強い方で、逆に過湿にならないように気をつけます。水やりは用土が乾いてから与えるようにします。空気中の湿度が高い環境を好み、エアコンの効いている部屋では空気の乾燥が強くて葉が枯れてしまうことがあるので注意しましょう。水やりとは別にときどき霧吹きなどで株全体に水をかけてあげてもよいでしょう。冬は寒さで成長が鈍るので水やりの回数を減らします。
用土を過湿にすると根が腐って水を吸えなくなり、葉にしわが寄って最終的には枯れてきます。特に水ゴケで植えている場合は過湿になりやすいので注意が必要です。
春~秋の生育期間、薄めの液体肥料を月1回~2回与えます。ゆっくり効く固形の肥料を用いる場合は気持ち控えめの量を2ヶ月に1回与えます。
かかりやすい病害虫
カイガラムシが発生することがあります。見つけ次第、葉や茎を傷付けないようにこすり落とします。
植え付けと用土
水ゴケ単用か水はけのよい室内園芸・観葉植物用の土(例えば、赤玉土とピートモスとバーミキュライトを等量混ぜ合わせたものなど)を用います。
ふやし方
さし木が可能です。生育おう盛な春~秋にかけて茎の節から根を出すので、茎を切り取って用土に挿します。取り木も可能ですが、節から簡単に根を出すのでさし木の方が手軽です。