ツンベルギアの育て方
T.アラタ
- 科名
- キツネノマゴ科
- 学名
- Thunbergia
- 別名
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- 原産地
- 熱帯アフリカ・アジア
- 大きさ
- つる性 1.5m-10m(※種により異なる)
- 主な開花期
- 6月~9月
- 耐寒性
- ややよわい(2~3℃)
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
熱帯アフリカや熱帯アジアにおよそ100種類が分布します。毎年花を咲かせる多年草、もしくは低木で、つるを長く伸ばす種が多いです。花は筒状で先端が大きく開いたラッパ型です。夏を中心として初夏~秋まで花を咲かせますが、温室では冬にも花を見ることがあるので、一定の気温があれば季節に関係なく開花するのかもしれません。
主に栽培されているのは、アラタ、グランディフロラ、エレクタの3種です。つるが伸びる性質を利用してアサガオのようなあんどん仕立てにしたり、フェンスに絡ませて楽しみます。吊り鉢に植えて植えから垂らしても楽しいです。沖縄では庭木にしたり、公園に植えられていることもあります。鉢花の他、苗やタネが出回ります。タネは春にまくと、夏頃から花を咲かせてくれます。
日本には明治から昭和の初め頃に多くの種が入ってきています。ツンベルギアの名前はスウェーデンの植物学者、ツンデリーに由来します。
種類
〔〕内は学名、T.はThunbergiaの略
アラタ〔T. alata〕
熱帯アフリカ原産のつる性多年草で、熱帯各地で広く野生化しています。花の大きさは径3cm~4cm、色はオレンジで、筒状の部分の内側が黒に近い濃紫になります。この二色のコントラストが非常によくて印象に残ります。園芸品種に白花のアルバ、黄色のルテアなどがあります。和名はヤハズカズラ、日本には明治時代に入ってきました。
春にタネ(もしくは苗)から育てて、秋まで花を楽しむ「春まき一年草」として扱うことも多く、タネも市販されます。
グランディフロラ〔T. grandiflora〕
熱帯アジアに広く分布するつる性多年草です。生育旺盛でつるは非常に長く伸びます。花茎は垂れ下がるように伸び、そこに10輪程度の花を咲かせます。花の大きさは径5cm~6cmで色は淡い青紫色です。白花のアルバ、葉に白い縁取りが入るヴァリエガタなどの園芸品種が知られます。
エレクタ〔T. erecta〕
熱帯西アフリカ原産の低木で、樹高は1m~2mになります。花色は濃青紫で筒状部分の内側が黄色になります。和名はコダチヤハズカズラで日本には昭和初期に導入されました。
育て方
- ・やや寒さによわい
- ・つるはバランスよく誘引する
- ・日当たりのよい場所でよく育つ
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 4月下~5月 |
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肥料 | 5月~9月 |
日常の手入れ
つるの誘引
つるが伸びる種は早めに支柱を立てて、つるを誘引します。つるが混み合いすぎると風通しが悪くなって害虫が出やすい上に全体的に見苦しくなるので、つるはバランスよく配しましょう。
摘心
タネや小苗から育てる場合、本葉が5~6枚の頃に先端の芽を摘むと、下の方から芽が数本出てきてボリュームが出ます。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所で元気に育ちます。やや寒さに弱く、冬は3℃程度の気温があったほうが無難です。寒風や霜、凍結に気をつけベランダや軒下、室内の日当たりに置きます。暖地では屋外で越冬できます。
水やり・肥料
春から夏の生長期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏は乾きやすいので注意しましょう。冬は寒さで生長が鈍るので、水やりの回数を減らして乾かし気味にします。
春から秋は茎やつるを伸ばして花を咲かせる生長期なので、固形肥料を2ヶ月に1回くらい与えます。冬は基本的に要りませんが、つるや茎が新たに伸びてくるようなら、薄めの液体肥料を月1回程度与えてもよいでしょう。
かかりやすい病害虫
春と秋にアブラムシ、夏にハダニが発生しやすいです。
ハダニは気温が高くて乾燥した環境で発生しやすく、葉の裏について吸汁し植物を弱らせます。風通しのよい場所で、ときどき葉にもたっぷり水をかけてあげて湿度を高めるようにします。発生した場合は早めに駆除しましょう。
植え付けと用土
植え替えや植え付けは気温が十分上がる4月下旬~5月が適期です。水はけがよければ特に土は選びません。
ふやし方
さし木、タネまきで増やせます。
さし木は気温の高い時期ならいつでも可能です。発芽適温が20℃以上なので、タネまきは4月下旬以降に行います。気温が低いと発芽しないので、早まきは禁物です。