ツルハナナスの育て方

ナス科 「つ」からはじまる植物 つる性

ツルハナナス
科名
ナス科
学名
Solanum laxum = S. jasminoides
別名
ポテトバイン
原産地
南米
大きさ
つる性 4m~6m
主な開花期
5月~9月
耐寒性
ふつう
難易度
★☆☆☆☆(やさしい)

こんな植物です

〔〕内は学名 S.はSolanumの略

南アメリカ原産の常緑つる性樹木です。日本には大正時代に入ってきました。細かく枝分かれして、つるの長さは4m~6mになります。生育旺盛で、花もよく咲くので、フェンスや壁面に絡ませるのに適しています。

初夏~秋に、星形の花をたくさん咲かせます。大きさは、径2cm~3cmほどで、香りがあります。開いたときは淡紫色で、咲き進んでいくと白くなります。ひとつの株に色違いの花が混ざって咲いているように見えます。その他に、白花(色が変化しない)の品種や、葉に黄色い縁取りの入る斑入り種があります。

ヤマホロシの流通名で出回りますが、ヤマホロシ〔S. japonense〕は日本の山野に自生する別種です。ツルハナナス=ヤマホロシではありません。

ツルハナナスが分類される、ナス科ソラナム属は比較的身近な植物です。皆さんがよく知っているものに、ナス〔S. melongena〕、ジャガイモ〔S. tuberosum〕などがあります。あまり身近ではないかもしれませんが、ペピーノ〔S. muricatum〕も仲間です。

名前の由来

つる性で、ナスに似た花を咲かせるので、ツルハナナスの名前があります。英名のポテトバインは、つる性で花がジャガイモに似ているという意味です。

その他の画像

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え替え 4月
剪定 3月下~4月中 / 10月下
肥料 6月~8月

日常の手入れ

剪定

生育旺盛でよく茂り、姿が乱れます。定期的に剪定(枝を切る作業)をして整えるようにしましょう。作業は春~秋の間に行います。開花時期を避けたい場合、春に芽が伸び出す前か、秋に花が咲き止む頃に行うと良いでしょう。夏の間よく伸びるので、梅雨明け頃に剪定しても良いです。

乱れた樹形を整える「整枝」と、株内の風通しと日当たりを良くする「枝透かし」が基本となります。 具体的には枯れ枝や伸びすぎて、ぴょんぴょんはみ出している枝を切り詰め、外側の形を整えます。次に、株の内側、枝同士が絡まって混み合っている箇所は、余分な枝を切って透かします。

つるの誘引

放っておくと、枝同士が絡まってごちゃごちゃした感じになります。フェンスなどにからませたい場合は、枝を誘引してあげましょう。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所が適しています。腐葉土など、腐植質を多く含んだ水はけがよい土壌でよく育ちます。地植えの場合、大きく茂ったとき周りを圧迫しないかなど、スペースを充分考えましょう。 0℃程度あれば冬を越します。常緑性ですが、霜や寒風に当たると落葉します。

水やり・肥料

枝をよく伸ばして花が咲いている時期は、適宜肥料を与えます。さほどたくさん与えなくてもよく育ちます。様子を見つつ、量や回数は加減しましょう。

かかりやすい病害虫

とくにありません。

植え付けと用土

鉢植えは、株が大きくなったら一回り大きな鉢に植え替えます。適期は春で、生長をはじめる頃に行います。

ふやし方

さし木でふやすことができます。春~秋の気温が高い時期なら、いつでも可能です。地植えで冬越しに不安がある場合、保険のため秋にさし木で苗を作っておいてもよいでしょう。