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    第3回 よい土の条件〔実際編〕「TPO似合わせた土の配合で一歩上ゆく」

●では、実際に土をブレンドしてみよう

では、実際に園芸用土を作ってみましょう。作るといっても別に難しくありません。ホームセンターや園芸店で売っている土を混ぜるだけです。ただ、混ぜるにしても、それぞれの土の欠点を補うようなそれぞれの土の配分が必要となります。たとえば、水はけの悪い土に、水はけをよくするためにほかの土を混ぜたり、つり鉢などで、土の重さを軽くするために、比重の軽い土を混ぜるなどです。それでは、実際に、どの土とどの土を、どれくらいの分量で混ぜたらよいのかを説明していきます。土のコツ第1回の「土の種類」、とあわせてみていただくとよくわかります。

●土の混ぜ方パターン一覧
ここでは、おすすめの土のブレンド率をいくつかお教えします。これしかだめ、というような決まりは当然ありませんので、色々と工夫をして、なれてきて、何となくわかってきたのなら、自分流の「よい土」を作り出してみてください。土の種類のあとの数字は、作る土を10としたときのそれぞれの土の割合を示しています。また植え付ける際は、ここにさらに肥料などが混ぜられますが、それは「肥のコツ」を参考してください。
TPOに合わせたブレンド一例
 
赤玉土7腐葉土3 ●万能タイプのブレンドで基本
一番基本的な混ぜ方で、水はけも水もちもよい赤玉土に、土が硬くなるのを防ぎ有機質に富んだ腐葉土を混ぜた用土で、パンジーなどだいたいの草花をカバーできるブレンドです。一年草や二年草など、栽培がさほど長期にならないものに適しています。花木など、栽培が長期にわたると、赤玉土の土の粒子がつぶれて水はけが悪くなるので、そのような場合は、赤玉土を1わり減らし、代わりに川砂などを混ぜるとよいでしょう
赤玉土6腐葉土3軽石1 ●水はけが求められる、球根・ハーブ類
基本的には万能タイプと代わりませんが、球根など水はけが悪いと腐ってしまうものなど葉、軽石などを足して、特に水はけをよくするとよいでしょう。軽石の代わりにパーライトでも同じ効果が得られます。ハーブも草花の中では特に水はけがよいのを求められますので、このブレンドの用土を使用するとよいでしょう
軽石5赤玉土3ピートモス2 ●サボテンなどの多肉植物に
葉や茎などに水分を多く含んだサボテンや多肉植物などは、水分の少ない環境下で育つものなので、ふつうの土では水持ちがよすぎて、過湿気味になってしまいます。軽石など水はけのよいものを基本として、ブレンドするとよいでしょう。サボテンなどは室内でインテリアとして育てる場合も多いので、無菌状態でかびの生えないピートモスを腐葉土の代わりにして利用するとよいでしょう
赤玉土5ピートモス3鹿沼土2 ●室内園芸を前提とした観葉植物など
赤玉土を基本とした用土ですが、観葉植物など室内で育てることが多い場合は、土が乾きにくく、過湿状態になって根が腐ってしまうことがあります。そのため、水はけをよくするために鹿沼土を使います。川砂でもかまいません。また、腐葉土ではかびが生えてくるおそれがあるので、あんまり室内で育てる植物には適しません。そのため、同じ有機質として効果のあるピートモスを使用します
赤玉土5腐葉土3+堆肥2 ●肥料がとくに必要な野菜類に
基本用土は赤玉土です。野菜類、特に実を付けるものは多量の肥料を必要とします。そして、効率よく肥料を植物に取り込むためには、良質な有機質の存在が不可欠です。そのため、腐葉土にさらに有機質に富んだ堆肥をブレンドすることによって野菜に適した用土になります。堆肥は完全に分解した(完熟した)ものを利用しましょう。完全に分解していないとガスが発生して植物の根を傷めます
水ゴケ10 もしくは軽石8腐葉土2 ●洋ランの用土
洋ランは根が太く、野生の環境下では木に張り付いて生育するものもあり、過湿に弱いのですが、ある程度の保水性がないと育ちません。そこで、ある程度水持ちがよく、通気性がバツグンの水苔を単用する事がポピュラーです。シンビジュームなどは軽石を使用することも多い
そのほか、用途、生育に合わせたブレンド
 
ピートモス5バーミキュライト5 ●タネまき用の土
タネまきの土の場合は軽くて無菌状態で肥料の入っていないものというのが条件です。そこで水はけも水もちもよいバーミキュライトに軽くて有機質の含んだピートモスを混ぜます

 赤玉土5ピートモス2パーライト2鹿沼土1 ●つり鉢の用土

つり鉢など、上からつるしたり壁に掛けて使用する鉢などは用土が重くなると負担がかかり危険です。また水をやったときに特に重くなるので水はけをよくする必要もあります。そのためパーライトなどを使用して用土の重量を軽くし、鉢にかかる負担を軽くします。重くしすぎるとひもなどが切れて危険なのでやめましょう
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