ピンと立つ葉っぱ
ユッカ
エレファンティペス |
科名:リュウゼツラン(キジカクシ)科学名:Yucca別名:青年の木 など原産地:北アメリカ~中央アメリカ樹高:1m~10m栽培難易度:
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〔〕内は学名、Y.はYuccaの略
ユッカとは
ユッカ・グロリオサの花 |
ユッカは北アメリカ~中央アメリカにおよそ50種が分布する樹木もしくは多年草です。日本では古くから庭園樹として数種類が広く利用されており、近年では観葉植物としても親しまれています。
かたく尖った葉を放射状に伸ばし、全体的な見た目はシャープな感じのものが多いでが、種によって姿はそれなりに異なります。大きなものは樹高10mを超す大木になりますが、小さなものは1m程度にしか生長しません。葉っぱは細い剣状や細長い線状で先端が尖り厚みがあり繊維質で、ピンと立ち上がります。また、地下に球根(根茎)を作るものもあります。多くの種は乾燥地帯に自生します。長い花茎をまっすぐ伸ばし、丸っこい大きな花が花茎にぶら下がるようにたくさん咲きます。花色は白が多いですが、クリーム色や緑白色、紅紫色を帯びるものもあります。夜に開き、芳香を放つものが多いです。
ユッカの名前は現地でYuca(ユカ)と呼ばれる植物「マニホット(キャッサバ)」と混同してつけられたと言われています。ちなみにユッカとマニホットは全く別の植物です。
観葉植物としてのユッカ
生長した株 ずんぐり太った株元 (手前の朱色の花はヤトロファ) |
観葉植物として一般に流通しているのはユッカ・エレファンティペス〔Y. elephantipes〕と言う種です。「青年の木」の流通名でも親しまれています。やや耐寒性に劣るので、日本では地植えすることは一般的にありません。
エレファンティペスはメキシコからグアテマラにかけて分布します。 ユッカの仲間は葉の先端が針のように鋭く固くなるものが多いですが、本種は葉先が尖るものの軟らかくてあまり痛くないです。
丸太状のものを短く切って、芽を吹かせて鉢植えに仕立てたものが出回ります。切る長さで様々な大きさの鉢植えにできます。ちなみに樹の上部ににゴムかロウのようなものが被さっていることが多いですが、これは切り口から水や雑菌が入って腐らないようにする、いわば人工のかさぶたです。
本来は高さ6mにもなり株元から幹が数本に分かれてずんぐりと太ります。種小名のエレファンティペスは「象の足のような」の意でこの幹の姿に由来します。大きく生長した木は鉢植えとは別物のようにも見えます。
庭園樹・庭木としてのユッカ
庭園樹・庭木として日本で親しまれているものは数種類あります。広く普及しており、学校の校庭などでもよく見られます。乾燥に強く病気も少なく、強健な植物ですが、葉が尖って刺さると痛く、大きく広がり場所を取るものが多いため、扱いどころはやや難しいです。荒涼とした雰囲気がロックガーデンには非常にマッチします。現地では垣根のように使われることもあるそうですが、防犯にもなっているのかもしれません。主なものに以下のような種があります。
アロイフォリア(和名:センジュラン)〔Y. aloifolia〕
アメリカ・メキシコ・ジャマイカ原産、樹高は6mに達します。葉の長さは40cmほどで、放射状にびっしりと生えます。明治時代に渡来。アロイフォリアは「アロエのような葉をした」の意で、株姿に由来します。園芸品種に葉のフチが黄色く彩られるマルギナータ(和名:キンポウラン)〔cv. marginata〕があります。
フィラメントサ(和名:イトラン)〔Y. filamentosa〕
幹をほとんど伸ばさず、放射状に線状の細長い葉を出しながら伸びていきます。葉はぴんと立たず先端が垂れ下がります。大きくなっても樹高は1.5mほどです。葉のフチがほつれたようになり、ねじれた白い繊維が出ます。1800年代中頃に渡来したとされます。
レクルヴィフォリア(和名:キミガヨラン)
北アメリカ南部(ジョージア州~ミシシッピ州)原産、樹高は2m~3mになります。春と秋に白い花を咲かせます。 明治時代に渡来しました。
グロリオサ(和名:アツバキミガヨラン)〔Y. gloriosa〕
北アメリカ南部原産、庭園樹・庭木として日本でよく植えられているユッカです。上記レクルヴィフォリアに似ていますが、本種のほうが葉に厚みがあり長さがやや短いです。明治時代に渡来。
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