ヤサシイエンゲイ

ヒイラギナンテンの育て方

ヒイラギナンテンモクレン科 学名:Mahonia japonica用途 露地植え 鉢植え
難易度 バー バー バー バー バー(そだてやすい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(ややよわい)

北アメリカ南部に分布する常緑性の樹木です。自生地のミシシッピ州とルイジアナ州では州の花に指定されています。成木は樹高20mほどになり、ゆったりと枝を広げた姿は雄大な雰囲気です

栽培カレンダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
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植え付け
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植え付け
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剪定
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肥料
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季節・日常の手入れ ポイント
花穂切り
花の咲き終わった後は株が疲れないように花穂を付け根から切り取ります(花穂をそのままにしていると枝や葉を生長させるための栄養が実を作る方にいってしまうので)。また、枯れた枝葉は随時取り除くようにしましょう。

剪定 枝を切る作業
生長がゆっくりであまり枝も張らないので、ばっさりと全体を刈り込む必要はほとんどありません。樹形を整えるために長く伸びすぎた(突出した)古い幹を つけ根から1/3くらい上の部分で切り詰めて脇から新しい枝を出させるようにするか、元から切り取って地際からでてくる新しい枝(ヤゴ)を育てるようにすると周りの枝との高さも揃い、バランスのよい形になります。ヤゴは不要な場合早めに付け根から取り除きましょう。作業の適期は11月~2月が適期です。冬に花を咲かせる’チャリティー’などの品種は花後に作業を行います。

大株に育ったものは枝葉が密生して雑然とした姿になってしまいます。そのような場合は太い枝を間引くように切り取るとスッキリとした感じになります。

コンパクトに仕立てる場合
ヒイラギナンテンは枝分かれしにくいので、放任しておくと上には伸びますが横に枝が張らずに一本の棒のような頼りない樹形になることがあります。特に仕立て方にこだわらない場合は必要ありませんが、コンパクトで整った樹形に仕立てたい場合は一手間必要です。

1~2月頃に昨年伸びた太い枝を葉が密生している上あたりで切り落とし、細かい枝を残して枝分かれを促すようにします。葉が密生している箇所、といってもたくさんあるでしょうから、切る位置は全体のバランスを見ながら決めましょう。これを苗の時期から毎年繰り返すことで枝の張ったコンパクトな樹形に仕立てることができます。

日当たり・置き場所
日当たり~半日陰の場所で、西日や強い風の当たらない場所が理想的です。日陰にもよく耐え、ツヤのある濃緑色の葉が楽しめますが、日照不足になると枝葉がやや間延びした感じになることがあります。強い西日の当たるところでは葉焼けまでは進行しませんが、葉の緑色が抜けたような淡い黄褐色になり鑑賞価値が下がります(西日の当たらない場所に移動させると葉色は徐々に戻ります)。また、半日くらい日の当たる場所でないと、紅葉を楽しむことはできません。

寒さにはあまり強くないですが、北海道・東北以外なら問題なく地植えでの栽培が可能です。雪の重みで枝が折れてしまうことがあるので、積雪地帯では枝を縄などで束ねておきましょう。

水やり・肥料
鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。また、日当たりのよい場所で育てている場合開花時期は存外に土が乾きやすいので気を付けましょう。地植えは真夏に極端に乾燥するときや苗を植え付けたとき以外は特に水を与える必要はありません。

肥料は油かすに骨粉を10%ほど混ぜたものを2~3月(冬に開花する品種は4~5月)に1回、株元に施します。冬に咲く品種は肥料をやるタイミングが遅れると秋に葉芽が生長して、花芽が付かなくなることがありますので気を付けましょう。生育が多少遅れているようなら同様の肥料を11月~12月にも施します(順調に生長している場合必要ありません)。

用土
腐葉土などの腐植質をたっぷり含んだ肥沃で水はけの良い土が適しています。

植え替え・植え付け
植え付けの適期は3~4月、9~10月です。寒冷地では秋遅くに植え付けると寒害を受けやすいので気を付けましょう。やや粘質だが水はけが良く、腐植質に富んだ土壌を好みます。乾燥する土地での栽培は適しません。

ふやし方
さし木、タネまきでふやすことができます。

さし木の適期は7~8月で、その年伸びた枝の先端を15cmほどの長さに切り取り、赤玉土などに挿します。発根しやすく、比較的簡単にさし木でふやすことができます。

タネまきは秋に熟した果実からタネをとりだしてすぐまくか、タネを採取するのが冬になってしまった場合は乾燥させないように川砂に入れて貯蔵して3月頃にまきます。

かかりやすい病害虫
ウドンコ病 立ち枯れ病

ウドンコ病は主に春から秋にかけて発生する病気で、葉が白い胞子に覆われ小麦を粉まぶしたような状態になります。光合成を妨げたり、葉から栄養が吸収されてひどい場合には枯らしてしまいます。症状を確認次第、早めに殺菌剤を散布して治療します。高温で湿度の低い環境で発生しやすい病気です。

立ち枯れ病は幼苗時に発生する病気で、土壌の病原菌が株元から侵入して株を枯らしてしまう病気です。発生してしまったら残念ですがその株は抜き取って処分しましょう。

まとめ 
日陰に強い
寒さにはあまり強くない(地植えは関東より南)
長く伸び過ぎた古い枝は切り取る

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