コトネアスターの育て方

秋~冬に色づく果実

バラ科 「こ」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

コトネアスター
パルムタツス
科名
バラ科
学名
Cotoneaster
別名
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原産地
中国西南部~ヒマラヤ
大きさ
20cm~3m
主な開花期
5月~6月
果実鑑賞期
10月~1月
耐寒性
つよいほう
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

〔〕内は学名、C.はCotoneasterの略。

コトネアスターはバラ科コトネアスター属の樹木の総称で日本ではベニシタン〔C. horizontalis〕のことを指すことが多いです。属全体では約70種類の仲間があり、中国南西部からヒマラヤにかけて分布しています。

弓状にしなる様に枝を伸ばしたり、地をはう様に低い位置で四方に伸ばしてわさわさと茂るタイプのものが多いですが、枝がまっすぐに上に立ち上がる種類もあります。春に小さな白花をたくさん咲かせ、秋になると枝にたくさん付いた小さな果実が赤く熟し樹を彩ります。果実の赤と葉の緑色の色合いは美しいです。花はややおとなしく、どちらかというと秋に実を楽しむ樹木といえるでしょう。

名前の由来

コトネアスターはラテン語のコトネア(マルメロ)とアスター(似て非なるもの)からなり、マルメロに似て非なるものという意味です。草花のアスターとは関係ありません。

種類

常緑~半常緑のものが一般的ですが、冬に落葉する品種もあります。ベニシタン以外には枝を這う様に伸ばしてグラウンドカバーにも向く雑種の’ペンドゥルス’〔C. 'Hybridus Pendulus'〕や果実が白いムルティフロリス〔C. multiforus〕などが知られています。

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 3月下~4月上 / 10月下~11月
剪定(長枝タイプ) 2月下~3月上
剪定(短枝タイプ) 5月~8月上
肥料 2月 / 9月上

日常の手入れ

花芽のつき方

春に芽を吹いて枝を伸ばし夏頃に枝の節に花芽をつくります。そのまま冬を越して春になると花芽は芽吹いて短い枝を伸ばして花を咲かせ、実を付けます。花芽が付いて実が熟すまでは足かけ2年かかることになります。

剪定

剪定

あまり剪定をする必要はありませんが、放任していると茂りすぎて藪の様になってしまうので樹姿を整えるために剪定が必要です。枝が長くなるタイプ(以下、長枝タイプ)と短いタイプ(以下、短枝タイプ)では少し基本や作業の時期が異なります。

長枝タイプの場合、3~4年生の古い枝を枝分かれしている付け根の部分から切り落として樹全体の枝数を減らして姿をすっきりとさせるのが基本となります。適期は2月頃です。花や実は前年伸びた枝にすでに付いているのでそのような枝は切り落とすのはできるだけ避けたほうがよいです。

長枝タイプは自然としなった長い枝が美しいので枝を中途できる様な剪定はあまり行いません。中途で切るとどうしても樹形が不自然なものになりがちです。切るときはできるだけ枝分かれしている部分で切る様にします。

短枝タイプは、春に芽吹いた若い枝の先端をそろえる程度に軽く刈り込む剪定を行います。時期は5月~8月頃が適期です。それ以降は花芽が枝につくられているので枝を切る作業は行いません。

どちらにしても、あまり無闇に剪定すると花付き、実付きが少なくなるので気をつけましょう。


日当たり・置き場所

日当たりのよい場所が適しています。耐寒性は強い方で、品種を選べば東北南部まで露地で生育可能です。夏も冷涼な山間部の方が美しく育つことが多いです。

水やり・肥料

肥料は2月頃に油かすを施し、追肥として9月のはじめ頃に化成肥料を与えます。

かかりやすい病害虫

高温時期にハダニが発生することがありますが、基本的に病害虫の被害は少ない樹木です。

植え付けと用土

3月下旬~4月上旬、10月下旬~11月が植え付けの適期です。日陰や水はけの悪い場所では育たないので気をつけましょう。枝が地面に覆い被さる様に伸びる品種も多く、ゆるやかな斜面に植え付けるなど色々な工夫が考えられます。古くなった株は根が粗く、細かい根もあまり出ないので移植は難しいです。中性~弱酸性を好み、腐葉土や堆肥など栄養のたっぷり入った肥沃な土が適しています。

ふやし方

さし木とタネまきでふやすことができます。

さし木

6月~8月、その年伸びた若い枝を10cmほどに切って土に挿します。非常に根がでやすく、成功率としては高いと思います。小苗のうちは根付きやすいので、育ててある程度生長したら植え付けます。

タネまき

果実が赤く熟したら果肉を取り除いてすぐにまきます。乾かさない様に貯蔵しておき翌春にまいても良いでしょう。どちらにしてもタネ採取後は乾かさないようにするのが大切です。

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