日本の関東より南、台湾、中国南部など比較的温暖な地域に分布する常緑性の高木です。寒さには少し弱いですが、潮風や大気汚染に対する耐久力を多少備えており性質的には強健な植物といえます。モチノキの仲間で若い枝や葉の軸が紫色を帯びるのでクロガネ(黒鉄)モチの名前があります。葉は卵形で濃緑色、やや厚くて革のような質感があり表面はツヤツヤとした光沢があります。葉の縁はぎざぎざがなくなめらかで見た目は柔らかな雰囲気です。 5月〜6月にごく淡い紫色がかった小さな花を咲かせます。花自体は小さく目立ちませんが花後に1cm足らずの果実がたくさん付け、秋になると真っ赤に熟します。たくさんの真っ赤な実を付けた秋の姿は非常に美しく冬までその姿を楽しむことができます(特に大木の実りは見事です)。雄株と雌株があり(雌雄異株:しゆういしゅ)実を付けるのは雌株のみです。
2.葉の形 3.葉の軸(葉柄)は紫色を帯びる
■雄株と雌株がある 雄株と雌株があり、実を付けるのは雌株のみです。実を鑑賞したい場合は雌株を選びましょう。刈り込みに強くある程度形を仕立てることができるので、目隠しや添景木(風景を調和させるために植える木、メインというより添え物の感が強い)が目的ならば雄株でも問題ない。 ■適した場所 腐葉土など腐植質がたっぷり入った適度な湿り気をもつ肥沃な土壌でよく育ちます。また、日のよく当たる場所を好む陽樹ですが案外耐陰性も強く、多少日当たりの悪いところでも問題なく育ちます。 ■やや寒さに弱い 本来温暖な地域で育つ樹木ですので寒さは苦手で関東より西(関東含む)の地域が植栽適地です。植栽適地でも寒風のあたる場所は避けましょう。寒さの厳しい地域での植栽は難しくて実付きも悪いようです。常緑樹ですが寒さが強かったり乾いた寒風があたる場合、ひどく乾燥する環境では葉を落としてしまうことがあります。 ■適度な湿り気のある土壌を好む また適湿な土壌を好みますので夏にひどく乾く場合は、株元を敷きワラなどで覆ってあげましょう。 ■基本の剪定(枝の切り戻し、刈り込み) 芽吹く力が強いので、全体を刈り込むことができます。しかし、実の鑑賞を前提とした雌株は無闇に枝をいじらずできるだけ放任で自然にまかせます。細くて生長の悪い枝や、混み合った箇所の枝、樹形を乱すような伸びすぎた枝を切って軽く整える程度にとどめましょう。ばっさりと枝を短くしすぎると実付きに影響します。寒さに弱いので、剪定は充分に暖かくなってから行います。初夏6月と秋の9月が適期です。 ■肥料 2月頃にリン酸とカリを主体とした肥料を与えます。特に花が咲く大きさに生長した雌株は枝葉の成長を促す窒素分の肥料は控えます。枝葉の生長をある程度抑えることで実付きが良くなるからです。 ■植え付け 寒さに弱いので植え付けは春以降に行います。4月か9月が適期です。 ■ふやし方 タネまきと接ぎ木でふやすことができます。 タネまきは秋に実が熟したら採取して果肉を取り除いて保存しておき、春になったらまきます。ただし、実がなるまで雌株は雄株の判別が付きにくいので確実に雌株がほしい場合は接ぎ木でふやします(雌株だったとしてもタネから育てて実がなるまでは相当の年月を要します)。 雌株は接ぎ木でふやします。タネから3〜4年育てた苗を台木として雌株の枝を接ぎます。 ’ク’からはじまる植物 モチノキ科 花木・庭木 |
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