ヤサシイエンゲイ

クリの育て方

クリブナ科 学名:Castanea crenata用途 鉢植え 露地植え
難易度 バー バー バー バー バー(ふつう)

耐寒性 バー バー バー バー バー(つよいほう)

秋の味覚を代表する果樹(ナッツ類)のひとつで、そのおいしさは万人の知るところです。並木や庭園に利用されることは少ないです

もくじ

栽培カレンダー 
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花
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果実収穫
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植え付け
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剪定
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肥料
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品種の選び方 ポイント
ニホングリやその雑種で、クリタマバチに抵抗性のある品種を選びます。クリタマバチ抵抗性にこだわるのは、この害虫が駆除できない上に深刻な被害を与えるからです。

粒の大きさ、甘み、果肉の質(ほくほく・ねっとり)、収穫時期(早生・中生・晩生)などが品種ごとに異なるので、あとは好みで選ぶと良いでしょう。甘みの強い「利平」、イガにトゲのない「トゲなし栗」、加熱することで渋皮もキレイに剥ける「ぽろたん」をはじめ、たくさんの品種が出回ります。

ヨーロッパグリやチュウゴクグリなど外国種は、日本の気候では難しいです。

樹形を仕立てる・剪定
メインとなる幹にバランスよく枝を配する『主幹形仕立て』が適しています。枝を切る作業は落葉期の12月~3月です。

庭植え

植え付け直後 50cm~60cmの高さで切り戻します。
1年目(冬) 新たに伸びた枝の先端を10cmくらい切り詰めます。
2年目(冬) 新たに伸びた枝の先端を10cmくらい切り詰めます。内側に向かって伸びる枝や勢いの強すぎる枝、重なり合った枝は、付け根から切り落とす間引き剪定を行います。

鉢植え

基本は庭植えと同じ。倒れないよう短めに切り戻し、コンパクトに仕立てます。

植え付け直後 鉢の高さと同じ高さで切り戻します。
1年目(冬) 新しく伸びた枝を1/3くらい切り詰めます。
2年目(冬) 新しく伸びた枝で残すものは1/3くらい切り詰めます。勢いの強すぎる枝や、内側に伸びる枝は付け根から間引くか、短く切り戻します。クリの主幹形仕立てと剪定

クリの花の付き方3年目以降(共通)

春から夏に伸びた新梢に翌年の花芽が付きます。先端の2~3芽に雄花と雌花が咲き、それより下の芽は雄花のみ咲かせます。先端を切ると雌花を切り落とすことになり、実付きに影響します。

樹形ができて実を付ける大きさになった株は、枝の先端は極力切らないようにし、不要な枝を間引くようにします。また、間引き剪定によって、樹の内部の風通しと日当たりが良くなります。

摘果
鉢植えは1枝に1果を目安に、他のものは早めに摘み取ります。果実を大きく生長させるために大切な作業です。地植えは必要ありません。

日当たり・置き場所
日当たりの良い場所が適しています。日照不足は生長、実付きに影響します。適湿を好み、乾燥する場所や水はけの悪い土壌では充分育ちません。強風で落果しやすいので、風当たりの強い場所は避けます。植栽適地は北海道~九州です。

水やり・肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。

肥料は芽を出す前、3月頃にゆっくり穏やかに効く有機肥料、花後と収穫後に速効性の化成肥料を与えます。生長が早く肥料を吸収する力も強いので、化成肥料は分量を気持ち少なめにし、多肥は避けます。量を加減しつつ定期的にちゃんと与え、木が元気でのびのび育つよう心がけます。

用土
鉢植えは赤玉土(小粒)5:腐葉土4:川砂1の割合で混ぜた用土を使います。7号鉢(直径21cm)に1株が目安です。

植え付け
植え付けの適期は落葉期の12月~3月です。寒冷地では厳寒期は避け、3月に植え付けます。植え穴はたっぷりと堆肥を混ぜ込んでおきます。水はけをよくするため、山高に土を盛ってもよいでしょう。植え付け後はしっかりと支柱を立てて固定します。

ひとつの品種だけでは受粉しにくい(実が付きにくい)※1ので複数の品種を植えます。花粉が飛ぶ有効範囲は10m~20mなので、その範囲内に複数植えると良いでしょう。異なる品種同士で受粉するので、同じ品種を複数植えても意味はありません。

※1 このような性質を自家不和合性と言います。この性質が強い果樹は受粉のために複数の品種が必要です。サクランボやブルーベリーも同様の性質です。

ふやし方
果樹の品種は、接ぎ木でふやします。適期は3月~4月です。クリは基本的に別品種(別個体)との受粉によって実がなり、できた実には両者の形質が混じります。結果、タネ(クリの実)から育った株は親と同じ品種になりません。味や収穫量、耐病性などにばらつき(個体差)が出る可能性があります。

趣味でそこまでこだわらない、一から育てて盆栽に仕立てたい、品種改良をしたい、とにかくふやしたい、などそこに楽しさを見いだせるなら、タネをまいてもおもしろいでしょう。いえ、むしろまくべきです。

収穫
茶色く色づいたイガが裂け、自然に落果したものが美味しいです。

かかりやすい病害虫

病害虫は比較的多いです。

クリタマバチの虫コブ葉に付く、葉を食害する害虫にクリオオアブラムシやクスサン、実を食害するものにクリミガ、モモノゴマダラノメイガ、クリシギゾウムシ、幹の内部を食い荒らすものにカミキリムシがあります。

クリタマバチは新芽にタマゴを産み付け虫コブを作ります。被害に遭うとまず実が付かなくなり、最終的には木がダメになる可能性があります。駆除は困難です。

病気は胴枯病にかかりやすいです。凍害や日焼けが原因で発生しやすい病気です。

ポイント
・品種はクリタマバチ抵抗性を選ぶ
・日当たりと水はけのよい場所で育つ
・樹形完成後は間引き剪定が基本

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