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ミツマタの育て方

ミツマタジンチョウゲ科 学名:Edgeworthia chrysantha 用途 鉢植え 露地植え
難易度バー バー バー バー バー (そだてやすい)
耐寒性バー バー バー バー バー (ふつう)

中国原産で、冬に葉を落とす落葉性の低木です。枝が三つ叉に分かれるところから「ミツマタ」と言いますが、見た目そのままで非常に説得力があり覚えやすい名前だと思います。和紙の原料としてよく知られます

栽培カレンダー

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開花期
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花芽分化
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剪定
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植え付け
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肥料(地植え)
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肥料(鉢植え)
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季節・日常の手入れ
剪定は必要最小限
剪定の方法ミツマタは枝分かれしにくい性質で、枝を切っても新しい芽はあまり出てきません。自然に育てていてもある程度樹形もまとまるので基本的に剪定をする必要はありません。丈が高くなった場合、横に張った枝や上に伸びすぎた枝を切って全体を低くまとめる程度で充分です。

枝は中途半端な位置で切ってもそこから芽が出てくることはないので、必ず枝分かれしている付け根の部分から切り取るようにします。あまりやりすぎると、ミツマタ独特の枝振りが失われて、魅力が半減します。

剪定の適期・花芽のできる時期
剪定の仕方 2春に花が咲いた後、先端から3本の枝を伸ばして夏~秋に花芽を作り秋に落葉して冬を越して春、葉が出る前に花を咲かせます。要するに夏頃には翌春に開花する花芽がすでにつくられていることになります。秋には枝先について花芽が肉眼で確認できます。

ですから夏以降に枝を切ると言うことは花芽ごと枝を切り落としてしまうことになる(ミツマタは今年伸びた枝の先端に花芽をつくるので、どう切っても花芽を落とすことになります)ので、気をつけましょう。剪定をするなら花芽がまだつくられていない時期が一番よいといえます。時期的には花が咲き終わった直後が適期です。

日当たり・置き場所
日照不足になると花が咲かないので、できるだけよく日の当たる場所を選びましょう。

水やり・肥料
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に真夏は乾きやすいのでこまめな水やりが必要です。

地植えは2月頃に化成肥料を与えます。鉢植えは花が咲き終わった直後と翌年咲く花芽ができる前6月頃に1回ずつ化成肥料を与えます。

植え付け・用土
植え付けの時期は厳寒期を除いた落葉期なら可能ですが春に暖かくなってくる頃(=ミツマタの花が咲いている時期)が適期です。移植を嫌うので地植えにする場合、根の周りの土は落とさず水はけをよくするために山高になるよう植え付けます。根張りに対して枝の張りが大きい場合は地上部分が重くなりぐらぐらしてしまうのでしっかりと支柱を立てましょう。

砂質で水はけがよく適度に湿り気のある土壌が適しており、粘土質の土や水がすっとしみこまずに表面で留まって水たまりをつくるような土質は適しません。また、根が広く浅く張る性質なので極端に土が乾く場所も避けましょう。鉢植えにする場合も水はけのよい用土が前提で庭土と砂を半々に混ぜたものなどを使います。

移植を嫌う
ミツマタの根はあまり分岐せず粗く、根の表皮が軟らかくて傷が付きやすい性質があります。また、根が傷ついた場合傷口がふさがりにくいので移植の難しい樹木だといえます。小さな苗でも根を乱暴に扱うと根付かないことがあるので気をつけましょう。植え付けたら他の場所に移動できないと考えて、地植えにする場合は場所をよく考えて植えます。

かかりやすい病気・害虫
カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)が幹の中に潜り込んで食い荒らすので、発見次第すぐに駆除します。

ふやし方
さし木、接ぎ木でふやすことができます。いずれも適期は2月~3月の開花前です。また、さし木は花後~花芽形成まで(5月~7月)にも可能です。暖かい地方ではよく実を付けるので、タネを採ってまいてふやすこともできます。

ポイント
・できるだけよく日にあてる
・剪定する場合、枝は付け根から切る
・移植を嫌う

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ジンチョウゲ科
花木・庭木