ナンバンギセルは葉緑素を持たないがゆえに自分で光合成をして生長することができず、他の植物の根に寄生してそこから養分を取りながら生育する寄生植物で、発芽して生長し、花後タネを結んで枯れる生育サイクルを1年以内におこなう1年草です。寄生するのは主にイネ科やカヤツリグサ科などの単子葉植物で、具体的にはススキ、サトウキビ、ミョウガ、ギボウシなどが挙げられます。 花が咲くまで姿がほぼ見えないので夏〜秋の開花時期にいきなり生えてきたように錯覚しますが、生育期には茎は地際〜地中にあり鱗片状の葉を付け寄生主の養分を取って生長しています。夏以降にそこから花柄をにょっきりと伸ばして地上にお目見えするという寸法です。花柄の先端にはぷっくりとふくらんだ萼(がく)があり、そこから淡い紅紫色(まれに白色)の花を一輪、うつむきかげんに咲かせます。花は筒状で先端が浅く5つに切れ込んでいます。その姿をかつて南蛮人と言われていたポルトガル人やスペイン人の船員がくわえていたマドロスパイプに見立てて「ナンバンギセル」の名前が付きました。 万葉集では「思草(おもいぐさ)」の名前で登場しており、古くから日本で親しまれていた植物だといえます。うつむきかげんに咲く花の姿から来た名前でしょうか。 ナンバンギセルの他に、やや大型のオオナンバンギセルも知られています。 ’ナ’からはじまる植物 ハマウツボ科 |
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