日本(本州〜沖縄)、朝鮮半島、中国などに分布する落葉性の樹木で大きくなると高さ10〜15mほどに生長する高木です。非常に美しい花を咲かせますが、移植の難しさや開花まで年数がかかるなど多少扱いにくい点があり、庭木としてはさほど広くは利用されていないように感じます。 細長いほわほわの刷毛のような形をした淡紅色の花を梅雨頃に咲かせます。ひとつの花に見えるものは実は小さな花が10〜20個集まったもので、淡紅色の糸のような部分は長く伸びたおしべです。小さな花からたくさんの雄しべが出て、それが集まってひとつの形になります。 葉は長さ20cm〜30cm、葉の軸をはさんで左右に細長い楕円形の小葉を15〜30対つけます。この葉の形を正式には二回羽状複葉(にかくうじょうふくよう)と言い、何となく鳥の羽をほうふつとさせる軟らかでふわりと軽い雰囲気を持っています。夜になると左右の小葉がぴたりと合わさって垂れ下がり、その様子があたかも木が眠っているように見えるのでネムノキの名前があります。 非常に花付きがよく木が若いうちから花を咲かせる一才ネム、白花のシロバナネム、初夏に葉が深い赤紫色(春のはじめは緑色)になるになるサマーチョコレートなどの品種があります。
2.秋、たくさんの実を付けたネムノキ
■適した場所 湿潤で肥えた土壌を好みます。また、日当たりの良い場所が適しており、他の木の陰のなるような場所や日当たりの悪い場所は花付きが悪くなるので避けます。乾燥する場合は株元を敷きワラなどで覆ってあげましょう。 ■開花まで年数がかかる タネや小さい苗から育てる場合、開花するまで年数を要しますので焦らず気長に育てる必要があります。比較的小さいうちから花を咲かせ、非常に花付きの良い一才ネムという品種がありますので鉢植えにしたり花をできるだけ早く楽しみたい場合、タネから育てたいのであればそちらの品種がよいでしょう。一才ネムはタネをまいてから2〜3年、接ぎ木なら1〜2年で花を咲かせます。 ■基本の剪定(枝の切り戻し、刈り込み) 芽吹く力がさほど強くないので枝を切る必要はほとんどなく混みあった部分の細かい枝を切る程度にして、あとは自然に枝を伸ばして育てます。枝を切る場合は途中から切り落とすのではなく、必ず枝分かれしている付け根の部分から切ります。切り口から雑菌が入り枯れてしまうことがありますので、太めの枝を切った場合は切り口に癒合剤(ゆごうざい)を塗って保護します。充分生長した樹でも剪定による雑菌が原因で枯れてしまうことがありますので気をつけましょう。剪定の適期は落葉期の2月〜3月です。 ■肥料 肥沃な土壌を好みますが、やせ地でも問題なく育ちますので取り立てて肥料を与える必要はありません。特に窒素分の肥料は枝葉が茂りすぎて花付きを悪くする原因となるので避けます。 ■植え付け 春に暖かくなって芽が出てから植え付けます。落葉樹の中ではややスロースターターで春の目覚めが遅い方なので4月下旬頃が植え付けの適期となります。 ■移植が非常に難しい 根を傷めてしまうと根付かせることが非常に困難なので、一度地植えにしたら他の場所に移す(移植する)のが難しい樹木です。植え付ける際はよく場所を選びましょう。 ■ふやし方 タネまきと根伏せ、接ぎ木でふやすことができます。 花の後に豆鞘ができますので、秋に熟したら採取して保管しておき翌年の3月下旬以降にまきます。非常に生長は早いのですが、花が咲くまでに10年ほどかかります(一才ネムならタネまき後2〜3年で開花)。 根伏せは指の太さくらいの枝を10〜15cmに切り取りとって土に伏せます。適期は4月で、タネまき同様に開花するまでそれなりの年月を要します。 接ぎ木はタネから育てたネムノキを台木にして一才ネムの枝を切り接ぎするのが一般的です。適期は3月〜4月です。 ■鉢で生長を抑える栽培方法 ネムノキに限ったことではありませんが鉢植えにして根の伸びを制限することで全体の生長を抑えて開花を促進する栽培方法があります。しかし、ネムノキは元々木が若いうちは花が付きにくいのでこの方法で育てても花を付けず、徒労に終わるケースも多いようです。 ですから、コツなどを経験上知っているのなら別かもしれませんが、意図的に根をいじめる栽培方法はできるだけ避けた方がよいでしょう(意図していなくても鉢の中が根でぱんぱんになって生命の危機から「最期の一花」と言うような感じであがくように開花することはあります。下手をすると木自体が翌年につながらないので、あまり健全な開花とはいえないとは思いますが)。 ’ネ’からはじまる植物 マメ科 花木・庭木 |
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