ヤサシイエンゲイ

花の可愛らしい小球根

ロードヒポキシス(アッツ桜)

ロードヒポキシス(アッツ桜)
科名:キンバイザサ科
学名:Rhodohypoxis baurii
別名:アッツ桜 ロドヒポクシス
原産地:南アフリカ
草丈:5cm~10cm
主な開花期:4月-5月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(やさしい)

くわしい育て方

ロードヒポキシス(アッツ桜)とは

南アフリカのドラケンスバーグ山脈に1種が分布する小球根植物です。園芸では、春植え球根として扱われます。春に芽を出して開花、秋まで生育してその後、葉が枯れて冬は休眠します。

地際から長さ7~8cmの細長い葉を何本も出して茂ります。葉には全体に白い軟毛が密生し、銀白色に見えます。主な開花期は4月~5月、球根から花茎を伸ばしてその先端に1輪の花を咲かせます。花色は濃いピンク、紅、白などがあります。日本には昭和10年、イギリスから導入されました。

由来

属名のロードヒポキシスはギリシア語のロードン(バラ色)とヒポキシス(コキンバイザサ属の植物)からなり、「バラ色のヒポキシス」という意味です。ヒポキシスはロードヒポキシスと近縁の植物です。ヒポキシスが黄色の花を咲かせるのに対して本種が濃いピンクの花を咲かせるところにちなみます。アッツ桜の流通名で出回ることも多いです。名前の由来は、

・太平洋戦争において日本軍がアッツ島を占領したとき、その勝利ムードに乗じて名付けられた
・太平洋戦争において日本軍がアッツ島で全滅したときにそれを悼んで名付けられた
・植物関係の業者がこの花を売り出すためのイメージとして勝手に命名した

などの諸説があります。ロードヒポキシスは南アフリカ原産の植物でアッツ島とはなんの関係もない植物です。ちなみにアッツ島は北緯53度付近に位置する島でアメリカのアラスカ州に属します。正式な名称がアッツ桜という植物はありません。

種類

〔〕内は学名、R.はRhodohypoxisの略。

ロードヒポキシス属は濃い桃色の花を咲かせるバウリー〔R. baurii〕1種のみで構成されます。変種に白花種〔ver. platypetala〕があるほか、花色や形、大きさの違う園芸品種が多く存在し、比較的バラエティーに富んでいます。

育種が盛んだったのはイギリスで、後に日本でも行われるようになりました。イギリスの品種にはアップルブロッサム(淡いピンクの大輪種)、ピクツス(白花で縁がピンク色)、スーザン(桃紅色の大輪種)などがあります。

日本の品種には紅千鳥(濃い紅色)、覆輪千鳥(濃い紅色で縁が白)、白鳥(白色で大輪種)、うつり紅(咲き始めが白→後に濃いピンクに変わる)などがあります。 「ルビーの輝き」のように品種名を明記したものもありますが、鉢花では単にロードヒポキシス(アッツ桜)として流通し、品種を明記したものは少ないです。

黄花アッツ桜の名前で流通するものは同科別属のコキンバイザサの1種で厳密にはアッツ桜(ロードヒポキシス)ではありません。また、両者は間違えるほどは似ていません。

関連するページ
ロードヒポキシスの育て方
球根植物