サギソウの育て方

一年を通して湿潤状態に

ランの仲間 「さ」からはじまる植物 山野草

サギソウ
この植物の解説

育て方はこのページの下

科名
ラン科
学名
Habenaria radiata(= Pecteilis radiata)
用途など
鉢植え
開花期
7月~9月
大きさ
高さ20cm~50cm
耐寒性
つよいほう(凍結注意)
難易度
★★★☆☆(ふつう)

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え替え 2月~3月上
肥料 5月~6月 / 9月~10月

日常の手入れ

花がら摘み

花が咲き終わった後は花がらをこまめに摘みましょう。花がらを摘むのは株の美観を保つだけでなく、新しい球根を作るための栄養がタネを作る方にまわってしまうのを防ぎ、余計な栄養の消耗を抑えることができます。

日当たり・置き場所

日当たりと風通しのよい場所を好みますが、真夏は直射日光を避けた明るい日陰のほうが無難です。遮光ネットを使用するなら、夏は30%~50%を目安にしてください。また湿地の植物というところからもわかるようにある程度湿度のある環境が適しています。冬は地上部が枯れて地中の球根の状態で越します。凍らせなければ特に問題ありません。

水やりと肥料

水やり

一年を通して水切れをさせないことが、サギソウを育てる上での大きなポイントのひとつです。水切れさせないといっても常に水に浸ったような状態では根腐れをおこしてしまいますので水を張った場所に鉢ごと浸して育てる方法などはあまり適当ではありません(例外として真夏は乾きやすいので浅く水を張った受け皿などに鉢を浸すことがあります)。

生育期(芽が出て地上部が枯れるまで)は用土の表面が生乾きになったらたっぷりと水を与えましょう。おのずと春よりも乾きやすい夏の方が水やりの回数は多くなります。また、水やりとは別に空気中の湿度を保つため葉に水をかけてあげるのもよいでしょう。

冬の水やり

冬の休眠期も球根を乾かさないよう、用土が少し湿った状態を保ちます。休眠期は感覚として乾燥気味に保ちたくなりますが、冬に乾燥させた上に凍らせてしまうと球根が腐ってしまいます。

肥料

肥料はさほどたくさん必要としません。5月と6月に1回ずつ液体肥料を水やり替わりに与えます。また、花がらを摘んだ後、新しい球根を太らせるために2~3回同様の肥料を与えます。植え替えるとき球根の大きさが大豆くらいの大きさに育っていれば、肥料の量がちょうどよかった証拠です。


適した土

水ごけや鹿沼土、花崗岩の砂利などの単用、刻んだ水ごけ3:鹿沼土7の割合で混ぜた土など、基本的に通気性のよいものが適しています。一般では水ごけが一番手軽で扱いやすいのではないかと思います。

植え替え・植え付け

植え替えの時期

植え替えは毎年行います。平地や暖地では2~3月、寒冷地や積雪地では雪解けの後、4月下旬くらいが適当です。成長がはじまってからの作業は芽を傷めやすいので植え替えるタイミングを逸しないように気を付けましょう。春、成長がはじまる前、休眠期に植え替えるのが基本です。

植え替えの手順

使用する鉢は高さのない浅いものをもちいるのが一般的です。発泡スチロールの箱なども断熱効果が高く気温変化の影響を受けにくいので(特に夏、地中の温度上昇を抑えるのに有効)、栽培に適しています。また、もともと地中の深いところまで根が張る性質なので、直径が狭めの深い鉢でも問題ありません。ただ、浅めの鉢のほうが花が咲いたときは全体的に見栄えがします。ここでは一般的な水ごけによる植え替えの説明をします。

植え付け

まず、水ゴケは水に浸して充分吸水させた後、しぼって水を切っておきます。球根をとりだし古い用土を丁寧に取り除いておきます。鉢の底に軽石や中粒の鹿沼土などゴロ土を敷いて水ゴケをしっかりと硬めに詰めていきます。その上に球根を2~3cm間隔にのせていきその上に水ごけを1cmの厚さかぶせます。

ふやし方

下茎が伸びて、その先端に1コずつ球根ができます。一株で毎年2~3コの新しい球根ができるので、植え替え時に分けます

かかりやすい病害虫

病気:ウイルス病 害虫:ナメクジ

せっかくのつぼみが開花前にナメクジに食害されることがありますので気を付けましょう。ナメクジが這ったあとは粘液のようなものが乾燥してきらきらと光っていますので、そのような跡を見つけた場合は要注意です。

ウイルス病にかかると株全体がよじれて草丈が伸びなかったり、葉が萎縮します。一度かかってしまうと治療が困難な上に他の株への感染のおそれもありますので、見つけ次第抜き取って処分しましょう。

ウイルス病とは別に葉の先や裏が黒くなる病気が発生します。植え付ける前に球根を消毒することである程度抑えることができますが完全に防ぐには難しいようです。原因ははっきりしませんし、野生の株でも見られる現象のようです。生育期間中は定期的に殺虫殺菌剤を散布し予防しましょう。

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