桔梗咲きアサガオ
- 科名
- ヒルガオ科
- 学名
- Ipomoea nil (= Pharbitis nil)
- 原産地
- 熱帯 亜熱帯 ヒマラヤ高原
- 大きさ
- つるが長く伸びる(伸びないものもある)
- 開花期
- 7月~9月(セイヨウアサガオは8月~11月)
- 難易度
- ★★★☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
日本人に馴染みの深い夏の風物詩、 というイメージの強い植物です。 日本で改良されたものと海外で改良されたものに大きく分けられます。分類的にはヒルガオ科イポメア属の草花となります。イポメア属はサツマイモ属ともいい名前の通りサツマイモもここに属します(おもしろいと言う以外、特に意味はありませんがサツマイモの茎に朝顔の芽を接ぎ木することもできます)。
「早朝に咲いて日が昇る頃にはしぼむ、つるを伸ばす夏の花」というイメージがありますが、昼間に咲くもの、つるの伸びないもの、秋に咲くものなど非常にバラエティーに富んでいます。花色は黒と黄色以外はだいたい揃います。.主なものに白、紫、ピンク、ブルー、紺、グレー、茶などがあります。単色だけではなく、縁取り、絞りや斑点模様がはいるものなどがあり、花色と組み合わせると非常に豊富な花姿があります。
名前の由来
名前の由来はいくつかあるようですが、よく知られているのは「朝に咲く容花(かおばな)」説です。「容」は古語で「ひときわ美しい」と言う意味があり、「容花」は「ひときわ美しい花」となります。ちなみに、単に「容花」と言うと、ヒルガオのことを指すとされます。
どこからきたのか?
原産は東南アジア
日本では古くから栽培されている植物で、日本原産の植物のように感じてしまいます。はっきりとはわかっていないのですが、大元となる種は東南アジア~ヒマラヤ高原が原産ではないかと言われています。日本には奈良時代に中国から薬として入ってきました。タネが牽牛子(けにごし、けんごし)と呼ばれ、下剤として用いられました。効き目が強すぎるそうで、現在は使われません。現在のアサガオのカラフルさからは考えられませんが、当時の花色は薄青色のみだったそうです。
江戸に花開く、園芸栽培の確立
当初薬用だったアサガオが鑑賞目的に栽培されるようになったのは江戸時代に入ってからです。 江戸初期に白色のアサガオが登場、その後様々な花色がお目見えしました。人々の関心を集めるとともに、改良は進み、庶民にまで広く栽培されるようになりました。花や葉が珍しい『変化アサガオ』の登場でその栽培熱は最高潮に達しました。
明治に入ると、アサガオに対する人々の嗜好にも変化が現れました。いかに大きい花を咲かせられるかという、『大輪アサガオ』に人気が移ったのです。大輪アサガオは直径が20cmを超す花を咲かせるものに冠されます。
楽しむ幅が広い園芸植物
以上見てきたように、江戸時代には栽培が確立された古典植物のひとつです。記録にはあるものの時代の流れの中で実物が失われた品種もあると聞きます。日本で最高の園芸技術が確立された植物のひとつといえるでしょう。
様々な仕立て方や栽培方法があり、愛好家も多く、突き詰めると趣味性の高い植物と言えます。いっぽう、単に花を咲かせるだけならさほど労はないので、学校教材としても利用されます。また、生育旺盛でつるをよく伸ばすものは垣根にすることもあります。
主な仲間
植物学的にはアサガオというと学名で’Ipomoea nil’と呼ばれる種を指すのですが、園芸では以下の種もアサガオしくはアサガオの仲間として広く親しまれています。また、これらと掛け合わせて作られた園芸品種もたくさんあります。
〔〕内は学名、I.はIpomoeaの略
アメリカアサガオ〔I. hederacea〕
熱帯アメリカ原産、径3cmほどの淡青色の花を咲かせます。日本には明治時代に入ってきて、現在は各地で野生化しています。アサガオとは最も近縁の種とされます。
ソライロアサガオ〔I. tricolor〕
セイヨウ(西洋)アサガオとも呼ばれます。花の大きさは8cm~10cmと大きく、名前の通り空色の花が魅力的です。生育は旺盛で縦横無尽につるを伸ばすのでグリーンカーテンとしても利用されます。アサガオとはやや遠縁です。園芸品種の’ヘブンリーブル-’は広く栽培されており、曽野綾子の小説「天上の青」でも有名。
マルバアサガオ〔I. purpurea〕
熱帯アメリカ原産、ヨーロッパやアメリカで改良されて色々な園芸品種が作られました。アサガオに比べると寒さに強い品種が多いのが特長です。花色は紫、青、白、赤などがあり、絞り模様になる品種もあります。ツルがよく伸びて花色もカラフルなので、垣根や柵に絡ませても楽しいです。
ノアサガオ 〔I. congesta〕
西日本、南西諸島に分布します。多年性で花後は枯れずに根付き、毎年花を咲かせます。花の大きさは10cm前後で色は青紫色、沖縄ではアサガオというと本種がポピュラーです。タネはほとんどできませんが、茎から根を出して簡単に増えていきます。変異種に花が非常にたくさん付く’オーシャンブルー’があります。琉球アサガオの名前で出回ることもあります。
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ヒルガオ科 難易度★★☆☆☆
つるを旺盛に伸ばして小さな花を咲かせる。色は緋色、オレンジ、白など