涼しげで繊細な雰囲気のシダ植物

アジアンタムとは

ワラビ科 「あ」からはじまる植物

アジアンタム
この植物の育て方
科名
ワラビ(イノモトソウ)科
学名
Adiantum
原産地
世界の熱帯・亜熱帯・温帯
大きさ
高さ15cm~1m
開花期
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難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

胞子嚢

〔〕内は学名、A.はAdiantumの略

世界の熱帯から亜熱帯におよそ200種が分布するシダ植物で、日本にもおよそ8種が自生します。

その中でも熱帯アメリカ原産のアジアンタム・ラディアヌム〔A. raddianum〕とその園芸品種が観葉植物として広く普及しており、単に「アジアンタム」と言うと本種を指すことも多いです。

ラディアヌムはレース細工のように細かく切れ込んだ葉っぱ(小葉片)はやわらかで涼しげな雰囲気を持ち、夏の暑さにに涼味を添えます。葉の軸(葉柄)はワイヤーのように細く黒褐色で細かく枝分かれし、葉のグリーンとのコントラストもよいです。葉裏のフチには胞子嚢(ほうしのう)が並びます。鉢植えのほか、吊り鉢に仕立てても映えます。カラクサホウライシダ(唐草蓬莱羊歯)、コバホウライシダ(小葉蓬莱羊歯) などの和名があります。

園芸品種

園芸品種は少なくとも20種はあり、代表的なものに草丈が低くて葉が細かくてさらに繊細な雰囲気の‘ミクロフィルム’〔‘Microphyllum’〕、葉色が濃緑色で直立した姿が美しい‘フリッツ・ルーシー’〔‘Fritz-Luthii’〕などがあります。

名前の由来

アジアンタムの名前はギリシア語のアディアントス(=ぬれない)に由来し、葉が水をはじくところにちなみます。


主な仲間

トラペジフォルメ〔A. trapeziforme〕

和名ヒシガタホウライシダ。熱帯アメリカ原産の大型種で、草丈は1mに達する。葉の片は菱形になる。観葉植物としては見かけないが、植物園の熱帯植物温室などに植えていることがある。

ペルーウィアヌム〔A. peruvianum〕

エクアドルからボリビアにかけて分布する大型種です。

日本にも自生する仲間

ホウライシダ〔A. capillus-veneris〕

世界の熱帯、亜熱帯に広く分布します。日本では四国、九州、南西諸島に自生します。見た目は観葉植物で親しまれているラディアヌムに似ています。たくさんの園芸品種が知られます。

クジャクシダ〔A. pedatum〕

東アジアと北アメリカに分布し、日本では北海道から九州まで自生します。葉柄に沿って葉っぱが行儀よく2列に並び、葉全体は細長い姿になります。

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