- 科名
- ナデシコ科
- 学名
- Agrostemma githago
- 別名
- ムギセンノウ ムギナデシコ
- 原産地
- 地中海沿岸
- 大きさ
- 60cm~90cm
- 主な開花期
- 5月~7月
- 耐寒性
- つよいほう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
地中海沿岸を原産とし、秋にタネをまいて翌年の初夏に花を楽しむ秋まき一年草です。花が咲いた後は枯れてしまいます
日本では最初、切り花として普及しましたが、性質が丈夫でよく発芽するのでその後、花壇などにも利用されるようになりました。原産地のヨーロッパでは畑に生える雑草としての扱いが強く、園芸的にはあまり栽培されていません。
花は直径2~3cm、ピンク色で中心部分がほんのりと白くなります。その姿は素朴で可憐です。白い花を咲かせるものもあります。茎葉はやわらかなうぶ毛でおおわれて銀色がかった緑色をしており、全体的に線が細くてやわらかい草姿ですが、ぐんぐん草丈を伸ばして生長する強健な性質はワイルドフラワーのもつ野趣的な雰囲気を彷彿とさせます。
名前の由来
日本には1877年に渡来しました。アグロステンマは畑を意味する「アグロ」と王冠という意味の「ステンマ」から来ており、「畑に美しく咲く」という意味です。ヨーロッパにおいて畑に生える雑草だったことに由来します。和名のムギセンノウは麦畑に生えるセンノウ、葉がムギに似たセンノウなど由来は諸説あります。センノウはナデシコ科リクニス属の植物で、花の姿が似ているから付けられたのでしょう。
性質は丈夫で、日本各地では半野生化しています。露地やコンテナで群植させると美しいです。
種類
〔〕内は学名。A.はAgrostemmaの略
ミラス〔A. githago 'Milas' = A. milas〕
花の直径が5cm~8cmになる大輪の園芸品種で、野生種とはまた趣を異にする。ミラスは本種が発見されたトルコの町の名にちなむ。
育て方
- 水はけのよいやせ気味の土地が適する
- 倒れやすいので風の強い場所は避ける
- 蒸れるので、茎葉に水をかけない
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
タネまき | 9月下~10月上 |
---|---|
肥料 | 3月~4月 / 10月~11月 |
日当たり・置き場所
日当たりと水はけのよい土地が適しています。茎が細い割に草丈が高くなります。特に花の時期は上の方が重くなって倒れやすいので、強い風の当たる場所は避けます。
水やり・肥料
株の上から水をかけると、茎葉に生えているうぶ毛に水分が付いて蒸れやすいので水やりの際は株元から与えます。
やせ気味の土地でもよく育ち、肥料が多いと草丈が伸びすぎて倒れやすくなります。土にあらかじめ苦土石灰を混ぜておけば追肥の必要はありません。
かかりやすい病害虫
丈夫で病害虫はほとんど見られませんが、株が混み合った状態だと風通しが悪くなり蒸れてハダニが発生することがあります。茎葉が重なるように混み合っている箇所は茎を切り取り風通しをよくします。
植え付けと用土
水はけのよいやせ気味の土が適しています。
ふやし方
秋にタネをまいて育てます。発芽適温は20℃前後なので、暑さの去る9月中旬以降が適期です。一年草で花が咲き終わった後は株自体が枯れてしまいますので、毎年タネをまいて育てます。
花が咲き終わった後、地面にこぼれたタネから自然に芽が出るほどで発芽率はよい植物です。花壇などにばらまいて発芽したら間引きながら育ててもいいですし、箱などにまいて本葉が出始めた頃に混み合った苗を間引き、本葉2~3枚の頃にポットに1本ずつ植え替えて苗を育て、大きくなったら花壇やプランターに植え付けます。苗を作ってから植え付ける場合、晩秋までに植え付けを済ませ、寒さが来るまでにしっかりと根を張らせます。
手入れ
咲き終わった花はそのままにしておかずに花茎の付け根から切り取り、株が余計な体力を消耗しないようにしましょう。そうすることで次々と新しい花が咲き長期間楽しむことができます。
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