- 科名
- キンポウゲ科
- 学名
- Anemone nemorosa
- 別名
- ヤブイチゲ
- 原産地
- ヨーロッパ アジア東北部
- 大きさ
- 10cm~25cm
- 主な開花期
- 3月~5月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
ヨーロッパ~アジア東北部に分布する毎年花を咲かせる多年草で、落葉樹の下などに自生します。アネモネの仲間はたくさんの種類があり、単に「アネモネ」というと、秋植え・春咲き球根のものがよく知られていますが、それとは別種です。草花と言うより、洋種の山野草として扱います。山草がお好きな方なら、「アネモネの仲間」より「イチゲの仲間」といったほうがわかりやすいかもしれません。どう呼んでも同じものですが。
秋に休眠から覚めて根が生長をはじめ、春に芽を出して花を咲かせて葉を広げます。その後、葉が枯れて初夏から晩秋まで休眠します。葉があるのは春の間だけなので、地上部の生長だけ見ていると一気に生長してさっと散る、薄命なイメージがあります。地下茎は長く伸び、地中を水平に伸びます。
花は白色の一重咲きが基本ですが非常に変異に富んでおり、ピンクや淡いブルー、八重咲きなどの品種があります。白花八重咲き品種は「八重咲きイチリンソウ」の名前で流通することもありますが、本来のイチリンソウとは種が異なるのでややこしいです。
落葉樹の下や山草鉢に植えて、そのかわいらしさと野趣を楽しみたい植物です。ヤブイチゲというあまりかわいらしくない和名があります。
育て方
- 秋~春は日当たり、春以降は半日陰
- 初夏~秋は休眠する
- 休眠期も乾燥に気をつける
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 9月中~10月 |
---|---|
肥料 | 11月~4月中 |
日常の手入れ
生育期と休眠期
落葉樹の下のような、春まではよく日が当たってそれ以降は明るい日陰になるような場所が適しています。
初夏(6月)~中秋(10月)頃までが休眠期で晩秋(11月)~春(5月)頃が生育期で、それぞれにあわせた栽培管理をするのが大切です。葉っぱを出している時期はしっかりと日に当てて肥料を与えること、休眠期も乾かさないことがポイントです。
日当たり・置き場所
冬から春の生育期は日当たり、葉が枯れてから秋までは日陰に置きます。花が咲いて葉っぱが出ている時期は特によく日に当てるようにしましょう。暑さがやや苦手なので、夏は風通しのよいできるだけ涼しい場所に置きましょう。寒さには非常に強いので、特に防寒対策は要りません。
水やり・肥料
秋に休眠から覚めて根が活動を始めるので、土の表面が乾いたら水を与えるようにします。根が乾燥すると株がダメになるので、休眠期も適度に用土が湿る程度に水やりを続けます。
肥料は生育期間中、2週間に1回を目安に液体肥料を与えます。春に芽が出てきたら、あわせて固形の肥料を与えてもよいでしょう。肥料は翌年の生長や花付きにも影響を与えるので、たくさんは要りませんが確実に与えます。
かかりやすい病害虫
春先から葉や花にアブラムシがつくことがあります。早めに駆除しましょう。
植え付けと用土
水はけのよい用土が適しています。山野草の培養土などが適しています。
植え替えの適期は秋の生長が始まる少し前、9月中旬~10月が適期です。地下茎は芽が鉢の真ん中にくるように配し、水平に寝かせるようにして植え付けます。
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アネモネ
キンポウゲ科 難易度★★★☆☆
園芸上、アネモネと呼ばれているのは地中海原産の野生種アネモネ・コロナリアや雑種アネモネ・フルゲンスなどからつくられた園芸品種で、秋に球根を植えて春に楽しむ秋植え球根として扱うのが一般的です。