アメリカオニアザミ

猛々しい姿の野草

キク科 「あ」からはじまる植物

アメリカオニアザミ
科名
キク科
学名
Cirsium vulgare
別名
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原産地
ヨーロッパ シベリア 中国
大きさ
50cm~1.5m
主な開花期
5月~7月

こんな植物です

ヨーロッパからシベリアを通って中国の新疆まで広く分布するアザミの仲間です。原産地はユーラシア大陸ですが、日本にはアメリカから穀物や牧草にまじって入ってきたとされており、そこからアメリカオニアザミの和名があるのではないかと思います。侵入経路をたどるとヨーロッパ(原産地)→アメリカ(帰化)→日本となるようです。

畑や路傍など身近な場所で見ることができます。生育は旺盛で舗装された道路のスキマから生えているものもときどき見かけます。繁殖力も旺盛で、花が次々とたくさん咲き(タネがたくさんできる)、タネはタンポポのような綿毛が付いて風に乗って遠くまで運ばれる上に、発芽力も高いです。在来の植物を駆逐する恐れもあるとされ、日本では要注意外来生物に指定されています。園芸で栽培することはあまりないと思います。

特長

草丈は50cm~1.5mほどになり、葉や茎に鋭いとげがびっしり生えており猛々しい姿をしています。決して素手や薄い軍手では掴みたくはありません。ひっこ抜くときは要注意です。主な開花期は初夏~夏です。花色は薄い赤紫色で次々と咲きます。

花の下部(総苞片)が球状にふくらんでおり表面にとげがスキマなくびっしり生え、さらに総苞片は花より大きいです。また茎には翼と呼ばれるひれがつきます。これらの特長から他のアザミとの区別は容易につきます。


その他

スコットランドの国花はアザミですが、そのアザミは本種だと言われています(アザミにはおよそ300種の仲間がいます)。デーン人(バイキング)が夜陰に紛れて侵攻してきた際、アザミのトゲに挿されて悲鳴を上げ、それに気づいて夜襲を回避できたという伝説に由来します。

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