アークトチスの育て方

ガーベラに似た花が次々と咲く

キク科 「あ」からはじまる植物

アークトチス
科名
キク科
学名
Arctotis
別名
-----
原産地
南アフリカ 熱帯アフリカ
大きさ
20cm~70cm
主な開花期
4月~7月
耐寒性
ふつう
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

南アフリカ~熱帯アフリカにおよそ65種が分布します。草丈は50cm~70cmくらいで、ガーベラに似た径5cm~10cmの花を咲かせます。茎は長く伸びずに葉っぱは低い位置で放射状に伸びます。地際から花茎を長く伸ばして、その先端に1輪の花を咲かせます。主な開花期は春~初夏で、何本も花茎出して長期間咲きます。花は日中開いて夜は閉じます。

種によって形態は違うのですが、園芸でよく栽培されているものは、南アフリカ原産で毎年花を咲かせる多年草タイプとその園芸品種が多いです。ただし、高温多湿に弱く夏に枯れてしまうことが多々あり、一年草として扱うこともあります。秋、もしくは春にタネをまいて育てます。

名前の由来

アークトチスはギリシア語で「クマの耳」と言う意味があり、タネに生えている毛からの連想だとされます。

園芸でよくみる種

〔〕内は学名、A.はArctotisの略

グランディス〔A. grandis〕

日本にはじめて入ってきた種で、昭和の初期に渡来したと言われています。花びらは白で中心部が暗めの青色になるシックな色彩で、現在でも寄せ植えなどに利用されます。花径は5~6cmで草丈は開花時で40cmほどになります。

アカウリス〔A. acaulis〕

アカウリスは「茎がない」と言う意味で、茎が伸びずに地際で茂る草姿に由来するのではないかと思います。花茎を20cmほど伸ばし、その先端に径10cmの花を咲かせます。基本種はオレンジ色ですが、園芸品種には白、ピンク、ピンク、紅紫などがあります。また花の中心部分に白や黒のわっかが入る品種もアリ、非常にカラフルです。

違う種同士を掛け合わせて作られた園芸品種もよく栽培されています。園芸品種は親となった種のわからないものも多く、それらはヒブリダ〔A.×hybrida〕としてひとまとめにされます。

また、ベニジューム属とアークトチス属を掛け合わせた属間交配種は、ベニディオ・アークトチスの名前で出回ります。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

タネまき 3月中~5月中 / 9月中~10月
肥料 開花時にときどき液肥

日常の手入れ

花がら摘み

花が枯れてきたら、こまめに花がらを取り除くようにしましょう。花がらをとることで余分な栄養が使われず、次々に新しい花が咲き、長期間楽しむことができます。

節から非常に折れやすいので、花がら摘みの時など茎葉をいじる作業を行う際は無理矢理引っ張ったりしないようにしましょう。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所でよく育ちます。日照不足だと株姿が軟弱になり、花付きが悪くなります。

耐寒性はあり、寒冷地以外では露地でも冬越しできます(ただし、種によっては耐寒性を欠くもあるので注意は必要)。霜や寒風に当てると株が傷むことがあるの気をつけましょう。

高温多湿に弱くて梅雨時期以降は極端に弱って夏は枯れてしまうことがあります。蒸れないようにできるだけ風通しをよくしましょう。

水やり・肥料

水は土の表面が乾いてから与えるようにし、気持ち乾き気味に管理するようにします。多湿を嫌がるので、水のやり過ぎには注意します。特にあまり水を吸わない低温時期の多湿は根が腐って株がダメになる原因になります。

肥料はさほどたくさん要りません。植え付けるときにゆっくりと効く粒状肥料を与えておきます。追加として、スタミナ切れを起こさないように開花時期に液体肥料をときどき与えるとよいでしょう。

水と肥料を控えめにして、がっしりした株姿になるように育てましょう(締めて作る、と言います)。特に水が多いとひょろひょろした姿に育って折れやすくなります。


かかりやすい病害虫

とくにありません。

植え付けと用土

水はけのよい土であれば、特に選ばずに育ちます。

ふやし方

タネをまいて育てるのが基本です。秋にタネをまいて春~初夏に花を楽しむのが一般的ですが、夏も比較的涼しい寒冷地では春にタネをまいて、初夏以降に花を楽しむこともできます。

平地や暖地での春まきは、じゅうぶん花を楽しむ前に高温多湿で生育が弱って花が止んでしまうことが多いので、あまりおすすめできません。

楽しみ方

鉢植えや花壇に植えて楽しみます。あまり間隔を詰めて植えると風通しが悪くなり蒸れてしまうので気をつけましょう。

関連する植物