エリゲロンの育て方

野趣あふれるキク科植物

キク科 「え」からはじまる植物

エリゲロン
エリゲロン オウランティアクス
科名
キク科
学名
Erigeron
別名
ヨウシュアズマギク など
原産地
北アメリカを中心とした世界各地
大きさ
30cm~60cm
主な開花期
5月~7月
耐寒性
つよい
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

〔〕内は学名 E.はErigeronの略 。

エリゲロンは北アメリカを中心とした世界各地に約200種類が知られています。日本でもよく見かけるおなじみの野草、ハルジオン〔E. philadelphicus〕やヒメジオン〔E. annuus〕 -どちらも海外から入ってきたものが野生化した帰化植物- そして高山植物のアズマギクもこの中に含まれます。

スペシオサ種とカルビンスキアヌス種

一般的に園芸的で「エリゲロン」として栽培されているのはスペシオサ種〔E. speciosus〕やカルビンスキアヌス種(ペラペラヨメナ、ゲンンペイコギクとも)〔E. karvinskianus〕の園芸品種が中心となっています。どちらもロッキー山脈からニューメキシコにかけて自生します。

スペシオサ種は花の大きさがおよそ4cm、白色、藤色、紫色などの花色があります。エリゲロンの中では比較的大きめの花です。

カルビンスキアヌス種は細かく枝分かれして株を覆うように小さな花をたくさん付けます。花の咲きはじめは白ですが徐々にピンク色に変化していき、一株で濃淡の違う花が混じったパステル調の色彩を楽しむことができます。日本には明治の末頃に入って来ました。株が良く広がるので、水はけのよい傾斜地のグラウンドカバーなどにも利用されます。園芸品種のプロフュージョン〔'Profusion'〕が広く普及しています。

いずれも花びらは糸のように細く放射状にたくさん出ます。また、つぼみの状態では下を向いていますが花が開くときは首を持ち上げるように上を向きます。

名前の由来

エリゲロンはギリシア語のエリ(eri:早い)とゲロン(geron:老人)からなります。はっきりした由来は不明ですが、一説には花後に出来る綿毛(タネ)を老人の白髪に見立てたともされます。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 3月~4月 / 10月
タネまき 3月下~4月 / 9月下~10月上
肥料 4月 / 10月

日常の手入れ

梅雨時期になると茂った枝葉で風通しが悪くなり、株全体が蒸れて葉が枯れあがったり株が腐ることがあります。春に花をひととおり楽しんだら刈り込んで風通しを良くします。かなりおう盛に茂っている株なら地際当たりでばっさりと切り詰めてもかまいません(その後脇から芽が出てきます)。四季咲き性のものなら秋にも花を楽しむことができます。

日当たり・置き場所

日当たりの良いやや乾燥気味の場所が適しています。

水やり・肥料

肥料が多いと茂るばかりで花付きが悪くなります。春と秋に少量の化成肥料をばらまく程度で充分。

かかりやすい病害虫

つぼみや茎葉にアブラムシ、葉の中にハモグリバエの幼虫がつきやすいので見つけ次第駆除します。

植え付けと用土

鉢植えにする場合は水はけの良い用土を用います。

ふやし方

おう盛に枝や根を伸ばして比較的短期間で株が大きくなります。株が大きくなるのはよいですが、蒸れて腐りやすくなりますので、できれば毎年春か秋に株分けをかねて植え替えます。鉢植えのものも1年も育てていると鉢の中が根でぱんぱんになり、ほおっておくと生育不良(根づまり)をおこしてしまいますので、同様に年1回植え替えます。

タネまきでもふやすことができます。タネまきの適期は3~4月、9~10月です。

楽しみ方

エリゲロンは毎年花を咲かせる多年草で、主に上記の2種系統が栽培されています。カルビンスキアヌ種は細かく枝分かれしてよく茂り、株を覆うようにして花を咲かせ、性質も丈夫でつくりやすく花壇、鉢・コンテナ、グラウンドカバー、ハンギングなど用途が広いのもうれしいところです。

元々乾燥した草原に自生する種類が多く、日本の夏のような高温多湿の気候を少々いやがります。寒さには強いので冬の心配はあまりないです。

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