ぷりぷりの葉
パキフィツム
科名:ベンケイソウ科学名:Pachyphytum原産地:メキシコ草丈:10cm-20cm難易度 (そだてやすい) |
パキフィツムとは
パキフィツム属はメキシコの高原を中心に10数種が知られる多肉植物で、ベンケイソウ科の中では比較的仲間の少ない小世帯の属です。属名のパキフィツムは「厚い植物」という意味で、葉の形に由来します。葉は円形や紡錘型、ぷりぷりとした張りと丸みのある姿が愛らしく、葉の表面は化粧をしたように白い粉で覆われ、ピンクや赤紫色にうっすらと染まります。秋に気温が低くなると紅葉して色が濃くなります。生長すると、茎が伸びていって下の方の葉が落ち、枝分かれして灌木(小低木)状になります。主な開花期は春です。
代表的な種に「ホシビジン(星美人)」や、その園芸品種とされる「ツキビジン(月美人)」などが知られています。また、同じベンケイソウ科でも近縁のエケベリア属と掛け合わせたパキベリア属があります。
種類・仲間
( )内は学名 - -内は漢字表記 P.はPachyphytumの略 cv.は園芸品種の意味▼ホシビジン-星美人-(P.oviferum) 葉の表面が白い粉でうっすらと覆われ、葉色はうっすらとピンク色に染まり愛らしい。春に花茎を長く伸ばしてその先端に十輪ほどの鮮やかな紅色の花を下向きに咲かせます。花びらが萼より短く萼の間から顔をのぞかせるように咲く。種小名のオビフェルムは「卵を持っている」というような意味で葉の姿にちなむ。
▼ツキビジン-月美人-(P.oviferum cv.) 星美人によく似た品種で、葉は白粉を帯び、ほんのり赤紫色に色づきます。春に薄いピンク色の花を咲かせます。
▼シレイデン-紫麗殿-(P.cv.) 葉の先端が少し尖る。葉の表面は白粉でうっすら覆われ、全体が紫色を帯びる。気温が低いと紫色が強くなる。
育て方
栽培カレンダー1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
植え替え |
日当たり・置き場所 ポイント
日によく当てて育てます。日当たりが悪いと間延びしたり、葉色が悪くなったり、葉が自然にぽろぽろと落ちることがあります。春と秋は日当たりの良い場所で、夏は日射しが強い場合は直射日光を避けた明るい場所に移動させます。寒さに弱いので冬は室内の日当たりの良い場所に置きます。耐寒温度は0℃〜5℃です。
水やり・肥料
ぷりっぷりの葉の姿から想像できるように、葉の貯水性に優れた植物でとても乾燥に強いです。水やりは土が完全に乾いてから与えても遅くないです。水のやり過ぎは間延び、落葉の原因ともなります。春〜秋の生育期は土が乾いたら水を与えます。暑さには強いですが、夏に元気がないようなら水やりを控えめにします。冬は休眠期なので、水やりの回数はぐっと減らして乾燥気味に管理します。また、表面に白い粉の吹く種は乱暴に水をかけると白い粉が落ちてしまうので、水やりの際は株元から葉にかからないようにします。
肥料は春と秋にときどき液体肥料などを与えますが、与えすぎると間延び、落葉の原因になるので気をつけます。
植え替え・用土
植え替えは春に行います。用土は水はけのよいものを用います。
ふやし方
葉ざし、さし芽でふやすことができます。いずれも適期は春です。
葉ざしは充実した下の方の葉を丁寧に取りはずして土の上に寝かせ、根が出るまで一切水を与えず、直射日光の当たらない場所で管理します。葉を取り外す際、途中で折れたり基部が傷ついたり、基部の組織が茎の方に残ってしまうと芽が出ないので気をつけましょう。また、シワのよったものや色の悪い葉は葉ざしには適しません。
さし芽は葉を数枚付けた状態で茎を切り土に挿します。子株ができた場合も同様にふやせます。根が出るまで水は与えません。
その他 ポイント
白粉の吹く種は手で触ると粉が落ちて指の跡が残り美観を損ねます。あまり乱暴に扱わないようにしましょう。茎が長く伸びてしまった株は途中で茎を短く切り戻すと、切り口あたりから芽を吹きます。
ポイント
・日照不足や水・肥料のやり過ぎで間延び、落葉しやすい
・白粉の吹く種は葉に水をかけない、手で触らない
・寒さに弱いので冬は室内へ
関連するページ
ハからはじまる植物ベンケイソウ科
多肉植物・サボテン