直立する花穂が美しい
ペンステモン
コバエア |
科名:ゴマノハグサ(オオバコ)科学名:Penstemon別名:ツリガネヤナギ原産地:主に北アメリカ草丈:30cm-80cm開花期:6月-9月難易度 そだてやすい |
ペンステモンとは
北アメリカを中心として約250種類が分布する植物で本来は毎年花を咲かせる多年草(もしくは低木)ですが、日本のむしむしする夏の気候が苦手で日本では一年草として扱うこともあります。ヨーロッパではポピュラーな園芸植物で、鉢、コンテナ、庭、切り花など幅広く利用されており、改良された様々な品種が存在します。日本ではヨーロッパほど多くの品種が流通していませんが、日本の夏の気候にあまり合わないのが要因のひとつなのかもしれません。
初夏から秋にかけて花茎を長く伸ばして先端の開いた袋状の花をたくさん咲かせます。その花の形が釣り鐘のように見えるからなのか、ツリガネヤナギの和名があります。花の咲き方や姿が何となく同じゴマノハグサ科のジギタリスに似ています。花色は赤、ピンク、黄色、紫などがあります。
由来
ギリシア語のペンテ(5)とステモン(雄しべ)からなり「5本の雄しべ」の意。実際には雄しべは4本なのですが、花の内部に「仮雄ずい」と呼ばれる器官があり、それも雄しべのように見えるので、雄しべ4+仮雄ずい1=5本の雄しべと言うことになったようです。
種類
園芸品種 |
北アメリカ産のコバエア〔P. cobaea〕やメキシコ産のハルトヴェギー〔P. hartwegii〕などがあります。古くからある園芸品種はこの2種の雑種が元となったとされています。
そのほかにもやや花が小型ながら花数の多い’ケンブリッジ’や大輪の花を咲かせる’センセーション’などの園芸品種が普及しています。
赤色の花を咲かせるヤナギチョウジ〔P. barbatus〕やメキシコ、グアテマラ原産のツリガネヤナギ〔P. campanulatus〕は大正末頃に日本に入ってきたとされています。日本にもペンステモンの仲間のイワブクロ〔P. frutescens〕が高山に自生します。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
タネまき |
植え替え |
さし芽 |
肥料 |
日当たり・置き場所
日当たりと水はけの良い場所を好みます。
暑さには耐えるのですが、蒸れに弱く湿度の高い日本の夏の気候が苦手です。また、梅雨など長雨の時期もあまり好みません。夏は西日を避けた、風通しの良い明るい日陰などが適しています。比較的涼しい地域ではさほど手間をかけずに夏を越し、毎年よく育ちます。
水やり・肥料
水はけの良い土壌を好むので、水は土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。また、鉢植えは梅雨時期はあまり雨の当たらない場所に移動させた方がよいでしょう。
植え付けるとき土に堆肥を混ぜ込んでおき、春の生育時期は7~10日に1回薄めた液体肥料を与えます。
かかりやすい病気・害虫
多湿時期に、枯れた花からカビが発生することがあります。
植え付け・用土
複数株植え付ける場合、茂ったときに風通しが悪くなり蒸れることがあるのでつめすぎないように気をつけましょう。
比較的よく根が張り、鉢やコンテナは根詰まりしやすいです。夏越しした株は、混み具合を見て10月~11月に植え替えを行います。それ以上株を大きくしたくない場合は、同時に株分けを行います。
ふやし方
株分け、さし芽、タネまきで育てることができます。
タネまきは秋と春にできますが、一般的には秋まきが標準です。
株分けは秋に植え替えと同時に行います。さし芽は6月頃が適期です。
手入れ
枯れた花をそのままにしておくとカビが発生することがあるので、こまめに取り除きます。また、タネができてしまうとそちらに栄養がとられて株の勢いが衰えますので、ひととおり花が咲き終わった茎はわき芽の出ている位置まで切り戻します。
ポイント
・高温多湿に弱い
・枯れた花はこまめに摘み取る
・生育期はときどき追肥を与える
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