赤紅色の花が美しい
ベニバナトチノキ
科名:トチノキ(ムクロジ)科学名:Aesculus × carnea樹高:5m~15m開花期:5月-6月難易度 (ふつう) |
〔〕内は学名、A.はAesculusの略
ベニバナトチノキとは
ベニバナトチノキが属する、トチノキ科トチノキ属は北アメリカ、東アジア(インド、日本など)、ヨーロッパなどの広い地域に15種前後が分布する落葉性の樹木です。日本にはトチノキ〔A. turbinata〕1種が自生します。
その中でも、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(マロニエ)〔A. hippocastanum〕と北アメリカ原産のアメリカアカバナトチノキ〔A. pavia〕の2種を掛け合わして作られたのがベニバナトチノキです。日本には大正末頃に渡来しました。日本ではマロニエよりも普及しており、よく栽培されている樹木です。
樹高10m~15mに達する高木ですが、低いうちからよく花を咲かせるので鉢植えにしたり、樹高を抑えて庭木に利用されます。葉は長さ10cm~15cmで5~7枚の小葉が手のひら状になって一枚の葉を形成します(掌状複葉)。
主な開花期は5月~6月、枝先に赤紅色の花をまとめて咲かせて円すい状の花穂になります。花色は鮮やかで美しく、たくさんの花穂を付けるので遠目からでも目立ちます。改良品種に深紅入りの花を咲かせるブリオティー〔A. × carnea ’Briotii’〕があります。
育て方
栽培カレンダー1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
植え付け |
剪定 |
肥料 |
肥料(鉢植え) |
日当たり・置き場所
日当たりのよい場所でよく育ちます。ゆったりとした自然樹形が美しい樹木ですが、大きくなるとスペースをとるので植え付ける場所は充分考えましょう。単植して枝葉を大きく茂らせた方が、花もたくさん咲きます。
水やり・肥料
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。あまり多湿を好まないので、常に土がじめじめ湿っているような状態は避けます。
肥料は地植えの場合、2月と8月に油かすに骨粉を混ぜたものを適量株元に施します。鉢植えは同じものを2月、6月、9月の年3回与えます。
かかりやすい病気・害虫
特にありません。
植え付け・用土
植え付けは落葉期に行いますが、厳寒期はできれば避けます。寒冷地では春まで待ったほうが安全です。苗を植え付けた後は、長めの支柱を立ててしっかり固定します。水はけのよい肥沃地が適しています。あまり土質は選びませんが粘土質や礫質の土壌は避けます。
ふやし方
接ぎ木でふやします。タネから3~4年育てたトチノキを台木にします。 木が大きくなるとたまにタネを作りますが、あまり実付きは良くないです。
手入れ
剪定の適期は落葉期で、内側に向かって伸びる枝や細い枝を整理する程度にとどめます。自然樹形でも美しくまとまるので、基本的に剪定は必要ありません。
スペースの関係上やむを得ない場合は、枝分かれしている分岐点の部分で枝を切ります。切り口には癒合材(ゆごうざい:切り口からの雑菌の侵入を防ぐ)を塗っておきます。 中途半端な位置できるとそこから枝を出しますが、出る枝は元気がなく、芽吹く力も弱いものが多いです。
春に伸びた枝の先端に夏に花芽を付け、翌春に花を咲かせます。花のためには枝の先端を切り落とすような剪定は避けましょう。枝の途中にある芽が、花芽になることはあまりありません。
ポイント
日当たりと水はけのよい肥沃地でよく育ちます。横にもよく広がりスペースをとるので、植え付ける場所はよく考えましょう。
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