ポピュラーな秋の山野草
ホトトギス
科名:ユリ科学名:Tricyrtis別名:ユテンソウ(油点草)原産地:東アジア草丈:10cm-1m開花期:7月~10月栽培難易度:
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ホトトギスとは
葉っぱ 白花(画像提供:H.S) |
東アジアを中心におよそ20種が分布する毎年花を咲かせる多年草で、その内の10種が日本に自生します。茎が湾曲や下垂して花を咲かせる姿は風情があり、山野草として人気の高い植物です。
斑点のある花びらが、ホトトギス(鳥)のおなかにある模様と似ているためこの名前があります。また、若葉に油染みのような斑点があるので、ユテンソウ(油点草)の別名があります。
主な開花期は夏~秋で通常花びらは6枚あります。杯状で上向きに咲くタイプと、釣鐘状で下向きに咲くタイプがあります。種ごとに独特の個性があり、それもこの植物の魅力となっています。
種によって性質に差はありますが、全体としてはやや暑さによわく、夏に葉が茶色く傷んで開花期に株姿が悪くなることも多々あります。葉がきれいな状態で花を咲かせた姿は、ばしっ!と決まった雰囲気です。
属名のTricyrtis(トリルキルティス)は「3つの距」という意味で、花の基部に3つの距ができるところから付けられました。距(きょ)とは花びらやがくが変化した突起状の部分で中は空洞になっており、主に花の後ろ側にできます 。
仲間
ホトトギス〔T. hirta〕
本来、単にホトトギスというと、本種を指します(広い意味では属全体を指す通称となります)。本州の南関東より西、四国や九州の山野の日陰に自生している種です。学名のヒルタは「短い剛毛のある」という意味で株全体に粗毛が生えているところに由来します。10月頃に、白地に濃紫の斑点のある花を咲かせます。斑の入らないものや紫色単色のものもある。株に粗毛の生えないサツマホトトギスという変種があります。
キバナホトトギス〔T. flava〕
主に九州に自生する品種です。花は黄色に紫色の斑点が入ります。切り花に向く品種です。学名のfフラバは「黄色の」という意味です。
ジョウロホトトギス〔T. fmacrantha〕
主に宮崎県、高知県に分布します。山野の崖に垂れ下がって自生します。冷涼な気候を好み乾燥に弱いのでホトトギスの中では栽培は一番難しい部類にはいると思いますが、下垂して黄色い花をつける姿が実に上品で人気があります。ジョウロとは身分の高い女性を指します。
キバナノツキヌキホトトギス〔T. perfoliata〕
タイワンホトトギス |
宮崎県固有の品種。葉が茎をぐるっと抱き込んでくっついています。それが茎が葉を貫いているように見えるので 「ツキヌキ」の名前が付けられました。花は黄色で垂れ下がって育ちます。
タイワンホトトギス〔T. formosana〕
台湾原産。ホトトギスの中ではやや強光線に耐え性質も丈夫です。庭植でもよく育ちます。その強健な性質を活かし、交配によって様々な品種を作り出す元ともなりました。代表的な品種に東雲(しののめ)、藤娘などあります。
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