カントウカンアオイ
- 科名
- ウマノスズグサ科
- 学名
- Asarum
- 別名
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- 原産地
- 東アジア ヨーロッパ 北アメリカ
- 大きさ
- 高さ5cm~20cm
- 開花期
- 1月~6月
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名。A.はAsarumの略
東アジアを中心とした北半球の温帯に広く分布する多年草で60種-100種が知られています。日本にはその半数近くがあり、さらに産地ごとに異なる多種多様な品種が見られます。徳川の紋所で有名な「三葉葵」はカンアオイの一種であるフタバアオイ〔A. caulescens〕がデザインの元となっています。
主に山野の樹林下など、うす暗い場所に自生します。日本では江戸時代から栽培されている古典植物のひとつです。「○○アオイ」と名前は付いていますがオクラやハイビスカス、ワタなどを擁するアオイ科ではありません。
カンアオイの仲間(ウマノスズグサ科カンアオイ属)は、大きく落葉性と常緑性のグループに分けられます。ちなみに、園芸では「カンアオイ」というと常緑性グループを指すことが多いです。冬でも青々と葉が茂っているところから「カンアオイ(寒葵)」と名付けられたそうなので、言葉的には常緑性のものを指すのが正しいのかもしれません。広い意味ではカンアオイ属のすべての植物、狭い意味ではその中の常緑性グループが「カンアオイ」と言うことでよいのではないでしょうか。
姿・形
草丈は高くならず、節の多い根茎が地表や地面を這うように伸びていき、暗紫色の軸を伸ばして先端に葉を付けます。葉の形は心臓型で、種によって異なる様々な模様が入ります。開花は種によって異なりますが、主に早春から春で、葉の軸の付け根に1~数輪の花を咲かせます。花色は主に暗紫色で花びらは退化してなく、先端が3つに裂けた壺形のがく片から成ります。その花姿はユニークかつ奇妙です。
常緑性グループは非常に生長がゆっくりで、数平米の範囲に広がるのに途方もない年月がかかると言われています。
種類・仲間
産地ごとに多種多様な変種があり、特に葉の模様は千変の様相を呈します。葉の軸が緑色のもを「青軸」、花色が緑色のものは「素心花」と呼ばれ一部で珍重されたりもします。いずれも色素が抜けた結果にそのような色になったものです。
常緑性グループ
とにかく種類が多く、日本原産のオナガカンアオイ〔A. minamitanianum〕、コシノカンアオイ〔A. megacalyx〕、ヒメカンアオイ〔A. takaoi〕をはじめ中国や北米原産種も導入されています。特に中国原産のパンダカンアオイ〔A. maximum〕は花が白と黒に色分けされたかわいらしい種です。
落葉性グループ
フタバアオイとウスバサイシン〔A. sieboldii〕がよく知られています。フタバアオイは光沢のある緑色の葉が美しく日陰のグランドカバーとしても利用されます。また、徳川家の紋所としても有名です。
関連する植物
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アリストロキア
ウマノスズグサ科 難易度★★★☆☆
種によって姿は様々ですが、どれも奇妙でおもしろい形の花を咲かせるのが、一番わかりやすい共通点です。