- 科名
- フトモモ科
- 学名
- Myrtus communis
- 別名
- イワイノキ ギンコウバイ マートル
- 原産地
- 中近東 地中海沿岸
- 大きさ
- 2m~3m
- 主な開花期
- 5月~7月
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
主に地中海沿岸を原産とする常緑性の低木で初夏になると葉の付け根に5枚の花びらをもった梅に似た白い花を咲かせます。糸のように細いおしべが特徴的で美しく、花びらより目立ちます。花の後には小さな果実ができ、秋になると黒青色に熟し食べることができます。葉はやや先が尖った卵形で長さは3cm~5cm、厚めの革のような質感でツヤのある照りが美しいです。葉はもむと強い芳香を放ちます。
枝葉の細かいヒメギンバイカや葉に白い斑のはいるバリエダカなどの品種が知られています。
ギンバイカは派手さはありませんが、楚々として嫌みがなく、主張はするけど出過ぎない、そんな花木だと思います。
用途・由来
葉を肉料理の臭み消しに利用したり、酒に浸けて香りを移したものを「祝い酒」として利用したりとハーブとしての一面も持っている植物です。ハーブとしては「ギンバイカ」ではなく「マートル」と呼ばれることが多いです。
人間とのつきあいは古く、古代エジプトでは反映の象徴とされたり、ヨーロッパでは愛の女神に捧げる花として、結婚式の飾り花やブーケに利用されるそうです。そういう縁起物的な意味合いで利用されるところから「イワイノキ(祝いの木)」の別名が付けられたのかもしれません。属名のミルツスは古いギリシア名に由来します。
育て方
- 寒風を避ける
- 剪定の適期は花後すぐ
- 日当たりを好む
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 4月下~5月上 / 11月上~12月上 |
---|---|
剪定 | 4月下~5月上 / 7月下 |
肥料 | 2月 |
日常の手入れ
剪定
樹形の輪郭から飛び出るような長く伸びすぎた枝は樹形を乱す上に花付きも悪いので先端を切り詰めます。また、枯れた枝や重なり合った枝、逆枝(地面に向かって伸びる枝)もあれば切り落とします。
枝の張る生長速度と比較して幹の太りが遅いので枝葉が茂りすぎると幹がそれを支えきれずに最悪の場合折れてしまうことがあります。茂りすぎてバランスが悪いようなら枝を刈り込んで全体を小さくして幹に負担をかけないようにします。
剪定の時期
5月~7月頃に花が咲いて8月上旬にはもう翌年の花芽ができるので、剪定は基本的に花後すぐに行います(花数は減りますが、開花前の4月頃も適期です)。秋以降の剪定は花芽ごと枝を切り落とすことになりますのでできれば避けます。
日当たり・置き場所
温暖な気候に適した植物で耐寒性はあまりありませんが関東より西の地域(関東含む)なら地植えで育てることができます。ただ、冷たくて乾燥した冬の風は苦手なので強い風の当たらない場所がよいでしょう。庭に植えるなら、日当たりが良い建物際が風も防げるので適しているといえます。
日陰では生長が悪く花付きが悪くなります。また、冬の冷たい風に当たると枝先が傷んで花が咲かなくなることがあるので気をつけましょう。よく日に当てて、寒風を避けることが花付きをよくするコツです。
水やり・肥料
肥料は2月頃に油かすか化成肥料を株元に一握りほどばらまいておきます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
植え付けの適期は4月下旬~5月です。水はけの良い肥えた土壌が適しています。
ふやし方
さし木とタネまきでふやすことができます。
さし木は7月頃が適期で、その年伸びた新しい枝を10cmの長さに切って用土に挿します。
タネまきは11月頃に熟した果実を採取してよく洗って果肉を取り除き、タネを採ります。タネは乾かさないように冷暗所で保管して翌年の春、3月下旬以降にまきます。順調に育つとその年の秋には高さ20cm~30cmになります。
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南米を原産とする、冬も葉が落ちない常緑性の樹木で果実や花を食用とする果樹です。