- 科名
- ラン科
- 学名
- Grammatophuyllum
- 別名
- -----
- 原産地
- 東南アジア
- 大きさ
- 30cm~3m
- 主な開花期
- 主に春~秋
- 耐寒性
- よわい (13℃)
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
東南アジアを中心に約12種類が分布するランの仲間で、樹木などに根を張り付かせて樹上生活する着生種です。ランの中では中~大型で、その中には世界最大のランも含まれます。
種により棒状の茎が長く伸びて葉が左右二列にたくさん付くものと、株元の茎が長卵形にふくらんでその頂点に数枚の葉を付けるものの2タイプ(形態)があります。 開花期は主に春~秋で株元から花茎を長く伸ばし(その長さは2mを越すモノもあります)、数十~数百輪の花を咲かせます。花は肉厚で緑黄色や黄色に褐色の斑点状の模様が入るモノが多いです。色彩の点から言うと派手さ少なく、どちらかというとおとなしくて落ち着いた雰囲気です。
名前の由来
名前はギリシア語のグラマー(文字)とフィロン(葉)の2語に由来し、花の模様に由来します。斑点模様が花びらに文字が書かれているように見えると言うことでしょうか。最近は花に模様の入らないすっきりした単色の園芸品種「グラマトフィラム スクリプタム 'ヒヒマヌ'」が夏の鉢花として出回るようになりました。
種類・仲間
Gram.はGrammatophyllumの略、〔〕は学名
スペキオスム〔Gram. speciosum〕
熱帯アジアに分布する世界最大のラン。草丈は3m以上、主な開花期は秋で2mも花茎を伸ばして黄色地に赤い斑点が入った花をたくさん咲かせます。花の模様から「タイガーオキッド」の別名があります。個体差があるのか、花の地色が白いモノも見られます。
スタペリフロルム〔Gram. stepeliiflorum〕
マレー、スマトラ、ジャワに分布。主な開花期は夏、花茎を下垂させて十数輪の花を咲かせます。花は灰白色地に紫色の細かい斑点が密に入り全体としては紫色に見えます。
育て方
- ・越冬温度は13℃以上
- ・春~秋は遮光します
- ・性質はシンビジウムに近い
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 5 月~6月上 |
---|---|
肥料 | 5月~9月 |
日常の手入れ
耐寒性はグラマトフィルムの方が劣りますが、性質はシンビジウムに近いです。
日当たり・置き場所
越冬温度は13℃以上、出来れば15℃。寒さに弱いので冬から春は室内の日当たりで育てます。
気温が充分に上がる5月中旬以降は屋外で育てますが、強い日射しに当てると葉が傷んでしまうので風通しの良い明るい日陰に置きます。風の良く通る木陰などがあれば理想的です。直射日光の当たる場所では春と秋は30%、夏は50%の遮光を行います。秋の中頃に再び室内に取り込みます。
水やり・肥料
春~秋の生育期は用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は休眠しており水やりの回数を控えめにして乾かし気味に管理します。ただし、冬でも15℃以上を保てる場合は生育期と同様に水やりをします。
比較的肥料を好むので、生育期に充分与えて丈夫に育てます。ゆっくり効く固形肥料(油かすなど)と速効性の液体肥料を併せて使うと効果的です。固形肥料は新芽が伸びる生育期のはじめ(5月~7月)、月1回を目安に与えます。液体肥料は生育期いっぱい(5月~9月)の間、10日に1回程度与えます。冬の間は休眠しているので与えません。
かかりやすい病害虫
ハダニやカイガラムシの被害が見られます。
ハダニは乾燥・高温の環境で発生する害虫で葉について吸汁します。葉に水をかけて湿度を高めることである程度予防することは出来ますが、発生した場合は早めに殺虫剤を散布して駆除します。
カイガラムシは薬剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすり落として駆除します。
植え付けと用土
根がぱんぱんに張って鉢がきゅうくつになったら一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをします。 水はけのよい用土が適しています。水ゴケ、軽石、ベラボン(ヤシの実チップ、あく抜きしたもの)など。
ふやし方
株分けでふやすことができます。
関連する植物
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シンビジウム
ラン科 難易度★★★☆☆
鉢花としてポピュラーな洋ランのひとつです。比較的寒さに強くて丈夫で育てやすいものが多いです。