ランらしくない花姿
メディオカルカ
メディオカルカ・デコラタム ‘ハッピーフィールド’ |
科名:ラン科学名:Mediocalcar原産地:ニューギニア島とその周辺草丈:全体で10cm~20cmくらい主な開花期:冬~春難易度 (ふつう) ※種によっては弱いのもある |
メディオカルカとは
ニューギニア島とその周辺の島におよそ20種が分布するランの仲間です。バルブや葉っぱなど個々のパーツは非常に小さいですが、たくさんのバルブがつながって、草のようにこんもり茂ります。樹上などで生活する着生種で、細くて長い根を空中にたくさん伸ばします。
種によって差はありますが、主な開花期は冬~春で、先端の開いた壺型の花を咲かせます。花色はオレンジや赤で、大きさは5mm~8mmと小さいですが、花色は鮮やかで一度にたくさん咲くので花どきはにぎやかです。
種類
アブレビアタム〔Mediocalcar abbrebiatum〕
花色は赤で、先端だけ緑色になります。冷涼な気候を好み、夏でも25℃以下が望ましい。
デコラタム〔Mediocalcar decoratum〕
ニューギニア島の標高900m~2000mに自生します。暑さに強い強健種で、メディオカルカの中では比較的普及しています。花色はオレンジで先端が黄色くなります。株の小さいときから花付きが良く、花どきには株いっぱいに花が付きます。
育て方
(※内容はデコラタムが中心です) 栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
春~秋の管理
春~秋は屋外の風通しの良い場所で育てます。明るい日陰で吊り下げて栽培できるとなお良いでしょう。できるだけ日射しに当てたほうが良いですが、強い日射しは葉焼けの恐れがあるので、春と秋は30%真夏は50%程度の日除けをしたほうが無難です。よくわからない場合、春~秋は直射日光が当たらない、明るい日陰に置いておけば問題ありません。
暑さについて
メディオカルカは高地性のものが多いので、涼しいに越したことはないです。よく普及しているデコラタムは高温に強く、日本の夏の暑さでも傷むことは少ないです。しかし、アブレビアタムのように25℃を超すとてきめんに弱るものもあります。このように、耐暑性は種によって大きく異なります。入手の際には確認しておきましょう。
冬の管理
最低温度が10℃以下になる頃を目安に、屋外に置いているものは室内の明るい場所に移動させます。暖房の当たる場所は乾燥するので避けます。
水やり
水が好きなランです。生育期はたっぷりと水を与え、植え込み材料が湿っている状態をキープします。空気中にも細い根をどんどん伸ばします。
冬は低温で生育も鈍いので、乾かし気味でかまいません。乾燥には比較的強く、バルブに軽くシワが寄る程度なら大丈夫です。
肥料
肥料はほとんど要りませんが、気持ちあったほうが安定して育つ気がします。ゆっくり溶ける粒状の肥料(半年から1年くらいかけてゆっくり溶けるタイプ)を株元にごく少量(大粒なら1~2粒くらい)与えるくらいで充分です。その肥料が溶けきるまで、次の肥料は与えません。
植え付け
植え替えは、充分に気温が上がる5月以降が良いでしょう。植え込み材料は水ゴケが適しています。
ポイント
・生長期は多めに水を与える
・種によっては暑さに弱い
・肥料は少しで充分