街路樹でよく見る、紅葉が美しい
モミジバフウ
科名:マンサク科学名:Liquidambar styracifula別名:アメリカフウ原産地:北アメリカ樹高:~50m主な開花期:4月~5月難易度 そだてやすい 耐寒性 つよい 耐暑性 つよい |
モミジバフウとは
北アメリカ東部~中南部に分布する落葉樹で、アメリカフウとも呼ばれます。
幹はまっすぐ素直に伸び、樹高は最大40m~50mになりますが、植栽されているものの多くは10m前後におさまっています。枝にはニシキギ〔Euonymus alatus〕のようなコルク質のひれ(翼-よく-と呼ばれます)が付きます。
葉っぱは掌状に5~7つに裂け、縁はゆるめのギザギザになります。大きさは幅、長さとも最大15cmほどです。厚めの革質で色は深めの緑色、表面に光沢があります。カナダの国旗みたいな形の葉ですが、カエデ(メープル)類ではありません。カエデ類は枝をはさんで左右同じ位置に葉が付く対生で、モミジバフウは左右交互に付く互生です。樹皮は灰色で細かく裂けます。
4月~5月に枝の先端に雄花と雌花を別々に咲かせます。雄花は集まって球形になり、さらにその球形の集合花が穂状にいくつも付きます。雌花も球形に集まりますが、長く伸びた柄の先に1コが垂れ下がります。
雌花は受粉して丸い形の果実(集合花)になります。見た目はプラタナスの果実によく似ています。大きさは径3cm~4cmで表面はとげとげしていますが、握ってもさほど痛くはないです。果実は熟すと表面が割れて中からタネを出します。タネを出し終わった果実は、全面に窓のような穴がたくさん開いた、細工物のようなおもしろい姿になります。この果実はクラフト素材として市販されおり、リースなどに利用されます。果実はタネを出し終わると柄ごと落ちますが、翌春まで枝にぶら下がっているものもあります。
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用途
場所を選ばすよく育ち、生長スピードが速く、害虫があまり付かないので、街路樹や公園樹によく利用されます。紅葉が鮮やかで見事なのも人気?のひとつではないでしょうか。日本には大正~昭和に渡来したとされます。
由来
〔〕内は学名、L.はLiquidambarの略
葉姿がモミジに似ているフウ〔L. formosana〕という意味です。フウは同属の樹木で、タイワンフウとも呼ばれます。葉は3つに裂け、形が違うので見分けは付きやすいです。
属名のリクイダンバルは『液体の琥珀』の意で、フウ属のいくつかの種が香りの良い樹脂を出すところに由来します。種小名のステラキフィルアは『樹脂を生産する』という意味です。
似た仲間との違い
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
果熟期 |
植え付け |
剪定 |
適した場所
日当たりが良く、湿り気のある土壌が好きですが、さほど場所を選ばずによく育ちます。全国で植栽可能です。
植え付け
落葉期に行います。植える場所に腐葉土などをたっぷり混ぜ込んでおいて保水性を高めておきます。
肥料
特に要りません。与えると必要以上に育ちます。
手入れ
自然樹形のバランスが良いので、不要な枝を切る程度で手入れはあまり要りません。枝を切る作業は落葉期に行います。
ふやし方
タネをまいてふやします。
病害虫
特にありません。
ポイント
・植え付け、剪定は落葉期に
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