ネコヤナギの育て方
- 科名
- ヤナギ科
- 学名
- Salix gracilistyla
- 別名
- カワヤナギ エノコロヤナギ
- 原産地
- 日本
- 大きさ
- 1m~3m
- 主な開花期
- 3月~4月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★☆☆☆☆(やさしい)
こんな植物です
〔〕内は学名、S.はSalixの略。
河川の土手など、湿り気があり水はけと日当たりの良い場所に自生する落葉性の樹木で、愛らしい形の花穂と春を告げる花のひとつとしてもなじみ深い樹木です。 花穂を猫のシッポに見立てて、ネコヤナギの名前があります。
花穂は太めの円筒状で絹のようななめらかで美しい毛で覆われています。雄株と雌株が別々の雌雄異株(しゆういしゅ)で雄株は雄花、雌株は雌花を咲かせます。花穂は雌花より雄花の方が大きくなります。
3月-4月になると花が咲き始めます。咲くと言っても目立つような花びらはなく、雄花は先端にオレンジ色の葯(やく)のついた長い糸のような雄しべがたくさんあらわれ、葯が開くと黄色い花粉が出てきます。雌花は先端が黄色っぽい短い糸のような雌しべが付きます。花後、雌株は果実を付け熟すとはじけて中から「柳絮(りゅうじょ)」と呼ばれる綿毛に包まれたタネを出します。葉は細長いだ円形で枝をはさんで左右互い違いに付く互生、裏には灰白色の毛が生えています。
種類
花穂全体が濃い暗紫色で黒く見えるクロヤナギ〔S. gracilisyla var. melanostachys〕があります。クロヤナギはネコヤナギの変種で栽培品から突然変異でできたものと言われています。雄株だけが知られおり、葉や枝に毛が生えていないのが特長です。
育て方
- ・湿潤でやや粘土質の土壌が適する
- ・日当たりの良い場所を好む陽樹
- ・剪定は余分な枝を切り、整理する程度で
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
剪定 | 4月下 / 6月 |
---|---|
植え付け | 11月~3月 |
肥料 | 2月 |
日常の手入れ
剪定
間延びした枝や重なり合っている枝があれば切り詰めて整理します。株元からヤゴと呼ばれる勢いよく伸びる枝が出てきますが、これも早い内に付け根から切り落とします。以上のように剪定は余分な枝を切る程度にとどめます。間をあけず、ひっきりなしに多くの枝を切っていると次に出てくる枝が花芽の付きにくい細枝ばかりになることもあります(木がいじけるとも言います)。
剪定の時期
剪定の適期は花後すぐですが、枝の伸びが早いようなら6月頃にも行います。夏には翌年に開花する花芽ができあがっているのでそれ以降の剪定は花芽ごと枝を落とすことになり、結果として切った分だけ翌年の花が少なくなります。
日当たり・置き場所
川沿いなどに自生が多く見られるところからもわかるように、日当たりが良くて湿潤な土壌の場所を好みます。土質は砂質よりやや粘質の方が適しています。
水やり・肥料
2月頃、株元に化成肥料や有機質肥料を施します。様子を見て花後にも与えて良いですが、肥料が多いと枝が伸びすぎて樹形が乱れるので注意しましょう。
かかりやすい病害虫
アブラムシ、ウドンコ病、さび病などが見られます。
アブラムシは春先に発生します。新芽に付き吸汁します。
ウドンコ病は梅雨時期に発生しやすく、葉が白い粉のようなカビに覆われて植物を弱らせます。 さび病は過湿や風通しが悪い環境で発生しやすい病気です。落葉期にはまだ早いのに葉が落ちはじめるようなことがあればさび病の可能性があります(根腐れでも同じ症状が出るので一概には断定できません)。さび病にかかると葉の裏に褐色の斑点ができ、粉を吹きます。ときどき葉の裏をチェックして発生を見逃さないようにしましょう。
いずれも予防、駆除のために薬剤を散布するなど早めの対策を立てるのが大切です。
植え付けと用土
植え付け、移植は落葉期に行います。移植は比較的容易で、ある程度大きくなったものも枝を切り詰めてから行えば根付きはよいです。土質は砂質よりやや粘質の方が適しています。土が乾燥する場所は生育が悪く、枝枯れも起こしやすいので適していません。
ふやし方
さし木でふやすことができます。
3月上旬に前年伸びた枝を20cm-30cmの長さに切り、上下を逆にしないように土に挿します。比較的根付きやすいです。