ネズミモチの育て方
- 科名
- モクセイ科
- 学名
- Ligustrum japonicum
- 別名
- タマツバキ テラツバキ
- 原産地
- 日本 朝鮮半島 中国 台湾
- 大きさ
- 4m~7m
- 主な開花期
- 6月
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
日本(本州の関東以西-沖縄)、朝鮮半島、中国、台湾に分布する常緑性の樹木です。主に海沿いの山野に自生し、生長すると高さ4m-7mの小高木なります。
葉は卵形で先端がとがってやや厚みがあり、表面に光沢があります。6月頃に先端が4つに裂けたラッパ状の小さな白花をまとめてたくさん咲かせます。果実はだ円形で秋に黒紫色に熟します。幹は灰褐色で枝が細かく出ます。
由来・用途
果実がネズミの糞に似ており、葉がモチノキに似ているのでこの名前があります。
芽吹く力が非常に強くて枝がよく伸びるので、刈り込んで生垣や庭木に利用されます。また大気汚染によく耐えて強健なので、道路沿いや工場敷地内の緑化樹としての用途もあります。性質的にはメリットが多くその点では用途が広いとも言えますが、外見上の姿はあまりこれといった特長もなく、全体的にパッとしない点は否めません。庭木にするなら鑑賞価値の高い斑入り種などが適しているでしょう。
近い仲間・種類
変種に葉が丸っこくて表面がふくらむフクラモチ(フクロモチ) 、葉が小型で厚みがあり丸っこい沖縄原産のイワキ、若い枝などに短い毛が生えるケネズミモチなどがあります。フクラモチは丸っこい葉が可愛らしく、ネズミモチと比べると見た目はよいです。園芸品種に葉に黄色の縁取りが入るフクリンネズミモチ、葉が細長いホソバネズミモチなどが知られています。
近い仲間で同じような用途に使われるものに、姿形がそっくりな中国原産のトウネズミモチやイボタノキがあります。 トウネズミモチはネズミモチより大型で樹高は10mを越し、熟した実は果実酒に出来ます。
育て方
- ・こまめに刈り込んで姿を整える
- ・ある程度の日陰でも問題なく育つ
- ・土が乾くときはたっぷり水を与える
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
刈り込み | 適宜 |
---|---|
植え付け | 4月~9月 |
肥料 | 3月 |
日常の手入れ
刈り込み
芽吹く力が非常に強く、放任しているとすぐに樹形が乱れます。一年に2~4回を目安に刈り込んで樹形を整えます。間延びした枝や幹から勢いよく伸びる枝は見つけたら早めに付け根から切り落とします。刈り込みは真冬の厳寒期以外ならいつでも可能です。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所が適しており、他の木の陰のなるような場所や日当たりの悪い場所は花付きが悪くなるので避けます。乾燥する場合は株元を敷きワラなどで覆ってあげましょう。
水やり・肥料
乾燥する土壌では生育がかんばしくなく、枝もあまり多く出ません。春~秋の生育期に土が乾くときはたっぷりと水を与えた方がよいでしょう。
肥料は3月頃、株元に化成肥料を多少ばらまけば充分です。
かかりやすい病害虫
ウドンコ病が発生することがあるので、薬剤を散布して予防します。
植え付けと用土
植え付けは春~秋の生育期なら常時可能です。土地を選ばずに育ちますが、粘土質でやや重く湿潤な土壌を好み、乾燥地はあまり好みません。
ふやし方
タネまきとさし木でふやします。
タネまき
タネまきは秋に果実を採取して果肉を取り除いて乾かさないように貯蔵し、4月にまきます。タネは乾かすと発芽率が落ちるので注意します。
さし木
さし木の適期は6月-7月で、本年伸びた枝を10cm前後に切り取って土に挿します。