紙のような花びらが重なった姿がゴージャス
ラナンキュラス
科名:キンポウゲ科学名:Ranunculus asiatics別名:ハナキンポウゲ原産地:ヨーロッパ 西アジア草丈:20cm~60cm主な開花期:4月-5月栽培難易度:
|
〔〕内は学名、R.はRanunculusの略
ラナンキュラスとは
早春~春の鉢花として出回る球根植物で、紙のように薄い花びらが幾重にも重なった姿が美しい草花です。園芸では秋植え球根として扱い、夏の終わり頃から乾燥させた球根が出回ります。花色は赤、ピンク、オレンジ、白、黄色など豊富で、大輪種では直径15cmにもなります。秋に芽を出して春に芽を出し、夏は茎葉が枯れて球根の状態で休眠します。
球根は根が肥大した塊根で、太くてごく短い根が何本もくっついた形をしています。球根の頂点に芽の出る箇所が複数あり、短い毛で被われています。
ラナンキュラス(キンポウゲ)属の植物は世界中に500種以上が分布します。園芸でラナンキュラスの名前で出回っているのはそのうちの1種、ラナンキュラス・アシアティクス〔R. asiaticus〕の改良品種が多くを占めます。
名前はラテン語でカエルを意味する「ラナ」に由来します。ラナンキュラスの仲間の多くがカエルが住むような湿地に自生することにちなみます。
種類
原種 アシアティクス
園芸品種の元となった野生種のことを「原種」と呼びます。園芸でラナンキュラスと呼ばれているものの多くは元をたどるとアシアティクスを原種としています。アシアティクスとは「アジア産の」と言う意味ですが、ヨーロッパからトルコ、シリア、イランなど中近東まで分布します。草丈は30cm~50cmほどで花びらは基本が5枚の一重咲きです。花色は赤、オレンジ、白、ピンク、黄色などがあります。
16世紀から19世紀
トルコ(ターバン)系
トルコ宮廷で改良された品種群でその後、16世紀にはヨーロッパへ導入されていたと言われています。八重咲き種が多いのが特徴です。
ペルシア系
18世紀初め、トルコからヨーロッパに導入されたものを改良した品種群で、開花期がやや遅く、性質が弱い。草丈が低いものが多い。現在栽培されている園芸品種の大元となる系統です。
フレンチ系
18世紀後半~19世紀にフランスで改良されたのち、さらにオランダで改良された品種群で草丈が高い中輪咲きが特徴です。
ピオニー(ラジオネーリ)系
フレンチ系から改良された品種群。大輪種。
20世紀以降
黄色で花びらの縁が赤くなる品種 |
その後、アメリカ、さらに日本で改良が進みました。日本で改良された代表的な品種に以下のようなものがあります。
ビクトリア・ストレイン
1960年代後半、アメリカの改良種を日本で更に改良した品種です。大輪で花色が豊富です。
ドリーマー
1970年代後半に作出された品種です。いつの球根から咲く花の数が多く、茎が長いので切り花向きです。
関連するページ
ラナンキュラスの育て方ラからはじまる植物
キンポウゲ科
球根植物