有名なハーブ
ラベンダー
科名:シソ科学名:Lavandula原産地:地中海沿岸草丈:30cm~1m主な開花期:5月-7月栽培難易度:
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〔〕内は学名、L.はLavandulaの略
ラベンダーとは
ラベンダー(ラヴァンドゥラ属)はカナリア諸島~地中海沿岸、インドにかけて20数種が分布する小低木です。主に栽培されているものに、イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダー、フリンジドラバンダ-、ウーリーラベンダーなどがあります。
主な開花期は春~初夏で、花茎を伸ばしてその先端に小さな花を穂状にたくさん付けます。花色は淡紫~濃紫、白などがあります。草姿や花は種によって様々です。
花壇に植えて花を楽しむほか、花や茎、葉などに芳香がありハーブとしても扱われます。蒸留して得られた精油(エッセンシャルオイル)は香料や香水の材料になります。
芳香の主成分は酢酸リナールやリナロールでこの2つで芳香成分の8割以上を占めます。いくつかの種から精油が採取できますが、その中でもイングリッシュラベンダーが最も質が高いとされています。花を乾燥させたものはポプリになります。
歴史・由来
栽培、利用の起源は古代ローマ時代と言われています。日本には19世紀の初めに渡来しましたがそのときはほとんど普及しませんでした。日本での栽培の始まりは昭和12年、フランスから導入した種子を日本各地で栽培したのがはじめとされます。
ラベンダーの名前はラテン語のラヴァンド(洗う)にちなみ、古代ローマにおいて入浴剤のように広く利用されていたところにちなみます。また、衣類を洗う際、香り付けにラベンダーが用いられたという説もあります。
種類
形状や生態からいくつかのグループに分けられます。代表的なグループは以下の通りです。
ラヴァンドゥラ・グループ(スパイカスラベンダー)
鑑賞や精油採取に利用される、ラベンダーの代表的なグループです。
イングリッシュ・ラベンダー
〔L. angustifolia = L. officinalis〕
地中海原産、一般的にラベンダーと言えばこの種を指し、コモンラベンダー、真正ラベンダーとも言われる最も代表的な種です。多くの改良品種があります。代表的な品種に’ロイヤルパープル’、’ヒドコート’、’オカムラサキ’、’濃紫3号’があります。富良野のラベンダー畑もイングリッシュラベンダーの系統が多いです。
スパイクラベンダー〔L. latifolia〕
地中海沿岸、ポルトガル、ユーゴスラビアなどに分布します。葉が灰緑色で幅が広いので、ヒロハラベンダーとも呼ばれます。ラベンダーの中では耐暑性に優れます。
ウーリーラベンダー〔L. lanata〕
スペイン南部、山岳地帯の乾燥地に分布します。全体が白い綿毛に覆われます。花は濃紫、耐寒性が強い。
ラバンディン〔L. ×intermedia〕
イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーを掛け合わせた品種です。香りが強く、耐暑性に優れ、精油成分も多く含みます。代表的な品種に’グロッソ’、’シール’、’スーパー’、’プロヴァンス'などがあります。
イングリッシュ×ウーリー
イングリッシュラベンダーとウーリーラベンダーを掛け合わせた品種で多湿に強い性質があります。代表的な品種に’ソーヤーズ’があります。
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ストエカス・グループ
カナリア諸島、アフリカ北部、スペイン~トルコ、中東などに分布します。花穂の頂点に紫や白の苞葉を数枚出します。
フレンチ・ラベンダー〔L. stoechas〕
草丈60cm、花穂の頂点に紫色の苞葉を出します。亜種のペダンクラータ〔subs. pedunculata〕は草丈が高く、苞葉も大きくなります。品種に白い花を咲かせる白花フレンチラベンダー〔f. leucantha〕があります。
ウィリデス〔L. viridis〕
フレンチ・ラベンダーの花姿をそのままで色を黄白色にしたような姿です。耐寒性が弱い。
フレンチ亜種交配
フレンチ・ラベンダーの亜種を元に掛け合わせてつくられた改良種。代表的な種に’マーシュウッド’、’アボンビュー’などがあります。
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デンタータ・グループ
カナリア諸島、アフリカ北部、スペインに分布します。葉のフチに細かいギザギザが入るのが特徴です。主なものに、デンタータ〔L. dentata〕、その変種カンディカンス〔L. dentata var. candicans〕があります。
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プテロストエカス・グループ
四季咲き性の性質を持つものが多く、耐寒性は弱い。葉は細かく切れ込みます。代表的な種にピナータ〔L. pinnata〕、ムルティフィダ〔L. multifida〕などがあります。
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