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沼沢地の樹木

ラクウショウ(ヌマスギ)

ラクウショウ
科名:スギ科
学名:Taxodium distichum
別名:ヌマスギ
原産地:北アメリカ東南
樹高:最大50m(通常20m~30m)
主な開花期:5月

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ラクウショウ(ヌマスギ)とは

葉っぱ

毬果
毬果
北アメリカ東南部のミシシッピ川流域からフロリダに分布する落葉性の針葉樹です。湿地や水辺、沼沢地など、地面が水に浸かるような場所に自生し、ヌマスギ(沼杉)とも呼ばれます。日本には明治時代のはじめに入ってきました。水湿地の植栽に適しており、植物園や大きな公園の池畔に植えられています。都会でも比較的見ることの多い樹木です。

樹高は最大50mに達するとされますが、通常は20m~30m前後です。幹はすくっと直立し、自然樹形は整った円錐形で美しいです。

枝は普通に生長するものと、その枝からでる葉を付けるものの2種類があります。葉は先端がゆるやかに尖った線形で、枝に左右交互ににつきます(互生)。枝に付いた葉の様子は鳥の羽のようで、ラクウショウ(落羽松)の名前はこの姿に由来します。秋になると葉は赤褐色に色づき、冬になると枝ごと落葉します。

主な開花期は5月で、一本の木から雌花と雄花が咲きます。風によって花粉が運ばれる風媒花で、地味であまり目立ちません。雌花は枝先に1~2コ付けます。雄花はしっぽ状で長さ10cm、枝から垂れ下がります。実(毬果)は2~3cmの球形で秋に熟します。

属名のタクソディウムは「イチイに似る」という意味で、イチイの木に似ている所から来ています。種小名のディスティカムは「2列の」の意で、葉の並び方に由来するのでしょう。

呼吸根について

呼吸根
呼吸根
呼吸根(別名:膝根-しっこん-)と呼ばれる根をもちます。呼吸根は株のまわりの地面から、タケノコのように、にょきにょきと突き出て伸びます。沼沢地では水面からでているものも見られます。

水中や湿地など、地中の酸素が少ない環境で根の呼吸を助けているとされます。同時に、地中に向かって垂直に長い根を出しており、地盤の安定しない場所で体を支えるアンカーの役割もしているのではないかと言われています。

いずれにしても、呼吸根は水中や湿地に適応した、ひとつの形態だと思われます。

育て方

栽培カレンダー

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開花期
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タネまき
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適した場所
水辺や水中など、水が豊富にある場所が最も適していますが、通常の庭地でも育ちます。

どちらかというと温暖な地域向きの樹木です。関東より西ではよく育ちますが、東北より北では、かろうじて育つといった感じです。

高木で大きく育つので、その事をよく考えて植栽します。

土壌
湿潤で腐植質に富んだ土が適していますが、あまり土質はこだわらずに育ちます。

ふやし方
タネをまくか、さし木で増やします。

タネは秋に落ちた実から採ってすぐにまくか、冷暗所で保管して翌春にまきます。発芽して1年目の生長は遅いですが、それ以降の生長は早く、ぐんぐん伸びます。

手入れ
自然樹形が最もまとまりがよいので、特に枝を切る必要はありません。へたに切ると樹形がおかしくなることがあります。

病害虫
アメリカシロヒトリの幼虫が葉を食害することがあります。

ポイント
・湿潤な土壌でよく育つ
・基本的に剪定はしない
・大きくなるので、植えるならよく考える

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