サラシナショウマの育て方

試験管ブラシのような花

キンポウゲ科「さ」からはじまる植物 山野草

サラシナショウマ
科名
キンポウゲ科
学名
Actaea matsumurae (= Cimicifuga simplex)
別名
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原産地
日本、朝鮮半島、中国、シベリア
大きさ
1m~1.5m
主な開花期
8月~10月
耐寒性
つよい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

キンポウゲ科アクタエア(もしくはシミシフガ)属※の植物で、毎年花を咲かせる多年草です。日本の山野で普通に見られるほか、朝鮮半島、中国、シベリアなどに広く分布します。

主な生育期は春~秋で、冬は地上部が枯れて根の状態で越します。 春に芽を出して茎葉を伸ばし、1m~1.5mの高さになります。開花期はおもに夏~秋で20~30cmの穂状になり花色は白です。見た目を形容すると、なにか動物の尻尾か試験管ブラシのようです。根は地中を這うように横に伸びて生長していきます。

根は升麻(しょうま)と呼ばれ、生薬として用いられます。サラシナは「葉を水に晒せば食べられる=晒し菜」と言う意味です。晒すのは葉のもつ悪臭を取るためなのだそうです。

大型で場所をとる草花ですが、やや日当たりの悪い場所で育ち、和洋いずれの雰囲気の庭とも相性がよいという点では扱いやすいとも言えます。

分類上のこと

あくまで分類上のことですが、現在ではキンポウゲ科シミシフガ(Cimicifuga)属を同じ科のアクタエア(Actaea)属の中に入れて扱う傾向があります。それ故、以前の学名は『Cimicifuga simplex』と表記されていましたが、現在では『Actaea matsumurae』と異なる名前も付けられています。

全くの余談ですが属名のアクタエアはニワトコの古いギリシャ名で、本属の植物がニワトコの葉っぱに似ているところに由来します。旧属名のシミシフガは「臭くて虫も逃げる」という意味です。

仲間

〔〕は学名 A.はActaea の略

サラシナショウマ 'ホワイトパール' 〔A. matsumurae 'White Pearl'〕 

サラシナショウマの改良品種。野生種よりも花穂はやや太短い。

シンプレックス 'ブラックネグリジェ' 〔A. simplex 'Black Negligee'〕

サラシナショウマの近縁シンプレックス種の改良品種。黒紫色の葉と真っ白い花穂のコントラストが非常にシックで花のない時期もカラーリーフとして楽しめる。淡いピンク花の’ピンクスパイク’という品種も知られる。シンプレックスは「枝分かれしない」と言う意味だが、実際には全く枝分かれしないわけではない。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 3月下~5月上 / 10月

日当たり・置き場所

山野の樹林下の湿潤地などに自生がよく見られる植物で、風通しがよい明るい日陰が適します。真夏の直射日光に注意した方がよいですが、これは「高温に耐えられない」と言うより「乾燥に要注意」という意味あいが強いです。サラシナショウマは暑さ・寒さによく耐えて比較的丈夫な植物ですが、乾燥・水切れに弱いです。

水やり・肥料

乾燥に弱い植物です。春~秋の生育期は極端に土を乾燥させないように気をつけます。 肥料は植え付ける際に土に混ぜ込んでおきます。植えている場所(用土)がやせ土でなければそれ以上は特に要りません。

かかりやすい病害虫

蛾の幼虫(イモムシ)が葉や茎を食害します。特に茎の内部に侵入して食害、芯を空洞にしてしまうようなイモムシは見つけにくいので注意が必要です。葉が枯れ込み不自然に茎や花穂が折れるような状態を発見したら確認し、薬剤を散布して駆除します。

植え付けと用土

地下の根茎が横にはうように広がっていくので、鉢植えでは生長していくときゅうくつになってきます。大きな鉢に植えかるか株分けを行います。適期は春の芽が出るころか、秋の花後の休眠に入る前です。草丈が大きくなること、乾燥に弱いことなどを鑑みると座りの良い深めの鉢が適していると言えます。地植えの場合は基本的に植えっぱなしです。

用土は堆肥や腐葉土が豊富に入った肥えた土が適しています。庭植えの場合は植え場所にあらかじめ混ぜ込んでおくと良いでしょう。

ふやし方

株分け、タネまきでふやすことができます。

株分けは植え替えと同時に行います。タネは花後にできたものを採取してまきます。採ってすぐにまいた方が(保存してまくよりも)発芽しやすいです。

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