スタンホペア
ティグリナ
- 科名
- ラン科
- 学名
- Stanhopea
- 別名
- -----
- 原産地
- メキシコ ブラジル
- 大きさ
- 高さ30cm~50cm
- 開花期
- 主に夏
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
ブラジル~メキシコかけての中南米に約25種類が分布するランの仲間で、主に木の枝や幹に根を張り付かせて樹上生活をする常緑性の着生ランです。株元は球根のように肥大した(’バルブ’と言います)タマゴ型で、その先端からしわの寄った一枚の大きな葉を広げます。ちょっと奇妙な花の咲かせ方をするユニークなランです。
名前の由来
名前はイギリス王立協会会員だったフィリップ・ヘンリー・スタンホープ伯を記念してつけられました。ラベルなどに書くときの略号は「Stan.」です。
姿・形
花茎は重力に素直に従うよう真下に向かって伸び、その先に複雑な形の花を数輪つけます。花茎は下垂するのに、それに逆らうように花びらや萼が上に反り返る姿が印象的です。ひとつの花の大きさは径10~15cmほどです。
花の咲く姿や形が非常に特徴的で奇異なので一度見ると強く印象に残ります。普通の鉢植えでは鉢底が邪魔をして花茎が下に出てこられないので、底を抜いた鉢や、木枠のバスケットで栽培するのが一般的です(普通の鉢で育てられる種もあります)。
花の咲く時期は種によって春~秋と幅がありますが、主に夏が中心です。強い香りを放ち、4~5日長くても1週間くらいでしぼんでしまいます。ランにしては短命な花です。香りは臭いというのが正しいのかやや微妙で、「キツすぎる香水」のようなややもすると鼻につく感じです。
受粉の仕組み
花の匂いに誘われて雄のシタバチ類がやってきます。匂いの元を求めて花の中に潜り込んだとき、キツすぎる匂いに酔って、ハチは足を滑らせてしまうそうです。滑ったハチは下まで落ちず、ずい柱と呼ばれる器官が受け止めます。そのとき、ハチの背中に花粉がつきます。花粉を付けたハチが別の花で同じことをすると、今度はずい柱に花粉が付いて、受粉が完了します。
種類
日本でも植物園などで比較的よく見られるのはスタンホペア・ティグリナ〔Stan. tigrina〕です。ティグリナはメキシコ原産の大型種で、黄ばんだ白地の花びらに赤褐色の斑点模様が大小まばらに散ります。花の大きさは直径15cmほどで、1本の花茎に2~3輪咲かせます。種小名のティグリナは「虎斑のある」という意味で、花の模様に由来します。
そのほか、オクラタ〔Stan. oculata〕が比較的日本でも栽培されています。同じように中南米原産で姿形が似た近縁種にゴンゴラ属やコリアンテス属があります。
その他の画像
1.株姿 2.花(ティグリナ) 3.エコルヌタ 4.オクラタ 5.コンナータ×ティグリナ