スターフルーツ(ゴレンシ)の育て方
- 科名
- カタバミ科
- 学名
- Averrhoa carambola
- 別名
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- 原産地
- 東南アジア
- 大きさ
- 2.5m~3m
- 主な開花期
- 5月~6月 果熟期:9月~10月
- 耐寒性
- よわい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
マレー半島を中心として東南アジアに分布する熱帯性の常緑樹木で、ユニークな姿の果実を食用とする熱帯性果樹です。原産地では樹高が5-10mに達する高木ですが日本で栽培されているものはたいがい2.5m-3mほどに留まります。葉は小さな葉がたくさん集まって羽状になる奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)という形で美しく、鑑賞価値も高いです。葉は夜になると眠るように垂れ下がります。
5月-6月になると細い枝先や幹から花茎を出し、1cm程度のピンク色の小花をたくさん咲かせます。花後に10cmほどの長だ円形の果実が成ります。果実は縦方向に5本の隆起した稜が走っており、表面にはロウのような光沢があり未熟な果実はライムグリーンで熟してくると黄色が強くなり完熟すると琥珀(こはく)色っぽくなります。
用途・由来
皮ごと輪切りにして生食したりジュースやピクルスにも利用されます。果汁がたっぷりあり、食感はさくさくしています。味は品種により異なり、甘みの強いものと酸味の強いものがあります。
果実の断面が星形に見えるのでスターフルーツの名前があります。中国名のゴレンシも同様に果実の断面の形にちなみます。
属名のアウェロアは12世紀スペインの医学者アウェロスの名にちなみます。
その他の種類
別種にナガバノゴレンシ〔Averrhoa bilimbi〕があります。果実はスターフルーツほどはっきりした稜がなく、シュウ酸が多く含まれるため酸味が強い。生食には適しませんがが酸味を生かしてピクルスやカレーの素材として利用されます。
育て方
- ・急激な温度変化が苦手、生育適温は20℃~25℃
- ・肥料はチッソ分を控えめに
- ・剪定は枝を間引く程度
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
剪定 |
3月~4月 |
---|---|
肥料 | 3月~4月 |
日常の手入れ
剪定
枝があまり横に張らずに邪魔にならないので、鉢植えにも適しており、基本的に剪定の必要もありません。木が大きくなり、風通しや日当たりを邪魔するような枝が出てきたら、枝分かれしている付け根から切り落とす間引き剪定を行う程度で充分でしょう。
若木の内に主軸となる幹を決めて数年かけて剪定することで、まとまった形に仕立てることもできます。剪定の時期は春暖かくなり生長を始める3月~4月です。
摘果
たくさんの実を成らせると充分に栄養が行き渡らずちゃんとした果実ができません。実が小さい内に摘み取って(摘果して)成る数を制限します。
日当たり・置き場所
生育適温は20℃~25℃です。熱帯果樹の中では寒さに強く、5℃程度の気温でも耐えますが、昼夜の温度差の激しい環境や急激な温度変化が苦手で、冬に最低気温が保てる場所でも温度差が10℃以上ある場所では枯れてしまうことがあります。沖縄など冬でも暖かく、さほど温度差も激しくない環境でなら地植えで育てることもできますが、それ以外の地域では温度管理のしやすい鉢植えでの栽培が前提となります。
充分日に当てないと育たないので、日当たりの良い場所で育てます。春~秋の気温が高い時期は屋外の日当たりの良い場所、冬は室内でも日の射す場所に置きます。室内の窓際は日当たりはよくて結構なのですが、昼夜の温度差が激しいので気をつけましょう。
水やり・肥料
肥料は春に生長を始める3月-4月、花が咲いて果実ができはじめる6月頃、果実が大きくなる8月頃の年3回与えます。窒素分が多いと実付きが悪くなるのでその点に気をつけ、骨粉と油かすを等量混ぜたものを与えます。
かかりやすい病害虫
高温乾燥時期にハダニが発生します。葉裏につき吸汁して植物を弱らせるので見つけ次第、薬剤を散布して駆除します。
植え付けと用土
水はけのよい土が適しています。赤玉土(小粒)6:腐葉土2:川砂2の割合で混ぜた土を用います。また、植え付ける際は鉢底に大粒の軽石などを入れて水はけを良くしておきます。
ふやし方
タネまきと接ぎ木でふやすことができます。
タネは自家採取してまきます。春~秋の高温期なら比較的よく芽を出します。観葉植物として楽しむならそれで充分なのですが、実が成るまでに6~7年かかる上に、タネから育てたものは品質が一定しないので果実が目的の場合、良い苗を作るのは難しいです。
一定した品質の果実を求める場合は、接ぎ木でふやすのが普通ですが技術的に慣れていないと難しい作業です。